子どもたちに次のように投げかけます。
「□の中に0〜9の数を入れて式を完成させよう」
右の式の□の中に,数字を入れて式を完成させます。問題を見た当初は,これまでに取り組んできた虫食い問題の延長戦上だと子どもたちは考えていました。従って,「簡単にできる」と多くの子どもが考えています。
しばらくすると,「できました」と声があがります。一方,簡単だと考えていたのにもかかわらず「できない」と悩んでいる子どももいます。
「できました」と声をあげた子どもたちは,左の式を発表します。ところが,この式では0を2回使っています。これまでの虫食い問題では,同じ数字は1回しか使えないというルールでした。このルールのままでは,この計算は成立しません。
そこで,今回は同じ数字を2回使ってもいいことにします。
次に1を2に変更して□の数を考えます。「これも簡単」と声をあげながら子どもたちは計算を始めます。
しばらくすると,「式は2つある」と声があがります。本当に式が2つあるのか確かめます。その結果,右の2つの式があることが確認できました。
するとここで「おもしろいことがある」と声
があがります。おもしろいことなどあるのでしょうか・・・。
「最初の式は1があって,式が1つ」
「次の式には2があって,式が2つ」
「問題の数字とできる式の数が同じ」
「だったら,式に3があれば,式が3つできる」
「式に4があれば,式が4つできる」
問題の数字と式の種類数に関係があるという発見が生まれてきました。
さて,このきまりは本当でしょうか,それとも偶然でしょうか。半信半疑の子どももいます。そこで,3を入れて関係のきまりを確かめます。
結果は,左のように3つの式ができました。きまりは正しいといえそうです。その後,数字を自由に決めてきまりを確かめます。
「本当に9は9こあった」
「4は4こあった。すげー」
このように計算を進める中で,きまりの確からしさを実感した喜びの声があがってきました。
子どもの手できまりの正しさを確認できることは,算数の学びの愉しさにつながっていきます。