2020年9月18日金曜日

テープ図はできない!

 2年生の子どもたちに,次の問題を提示します。

「リンゴ狩りに行きました。お父さんは52個とり,花子さんより7個多く取りました。花子さんは,リンゴを何個取りましたか」

 問題文を板書している途中から,「テープ図にできるね」「簡単だね」という声が聞こえてきました。前日も文章問題をテープ図に表す学習を行っています。子どもたちも,その延長線上の学習だと考えています。

 そこで,問題文に合うテープ図作りに取り組ませることにしました。子どもたちがノートに向かってテープ図を描き始めます。ところが,しばらくすると「あれ?」「おかしい」「できない」「難しい」という声が聞こえてきます。簡単にできると考えていたテープ図ですが,いざ,作成をはじめてみるとうまくできないことが見えてきました。

 苦労をしながら,なんとか作りだしたテープ図


は右の通りです。しかし,十分に納得できない表情の子どももいます。


 そこで,次のように子どもたちに投げかけます。

「昨日の色紙の問題は,誰の色紙の問題でしたか?」

 前日の問題は,つぎのものでした。

「お兄さんから色紙を12枚もらったら,色紙は全部で27枚


になりました。色紙ははじめに何枚ありましたか」

 従って,子どもからは「自分」「わたし」と声があがります。

 さらに,次の問いかけを行います。

「昨日の2番目の問題は,誰が空き缶を拾った問題でしたか?」

 この問題はつぎのものでした。

「空き缶を昨日34個拾いました。今日,何個か拾ったら


全部で43個になりました。今日,何個拾いましたか」

この問題も,「自分」「わたし」と声があがります。


 するとここで,子どもたちから声があがります。

「全部1人だ」

「でも,今日の問題は2人だ」

「お父さんと花子さんの2人だから難しいんだ」

 テープ図を作ることに難しさを感じた原因が,テープ図に表す人数にあることへの気付きが生まれてきました。この声をきっかけに,それまでのテープ図の描き方を見直す声があがってきます。

「だったら,2人を別々にしたらいいよ」

「そうしたらわかりやすくなるかも」

 テープ図を2段にする方法は,私から提示します。


「これなら簡単」「わかりやすい」と声が聞こえてきました。2本のテープ図を子どもが使いたくなる場面設定を行うことで,その必要性を実感することができた授業となりました。