2020年9月12日土曜日

式のしりとり

子どもたちに,次にように投げかけます。


「2つの数字を選んで,十の位同士のひき算を作ります。大きい数から小さい数を引きます」


 5と3を選んだ場合は,「53-35」の式ができます。この答えは,「18」です。そこで今度は,この答えの1と8を使って式を作ります。「81-18=63」となります。さらに,この「63」を使って「63-36=27」と式を作ることを繰り返していきます。

 ルールを理解した子どもからは,「しりとりの式だ」と素敵な言葉が聞こえてきました。子どもらしいたとえです。


 この計算を続けていくと,右下のように途中で「54-45=9」となります。答えが9になった時点で,「これで終わりだ」と考える子どもが多数いました。

 一方,「十の位を透明な0と考えたら,次の式が90-9と作れる」という声もあがります。「透明な0と考える」という見方は素敵ですね。


 答えの9を,透明な0があると考え「09」とすると,さらに式を続けていくことができます。次の式は,「90-9」になります。


今度は「90-9=81」の答えが出た子どもから,「おもしろいことがある」と声があがります。おもしろいことなんてあるのでしょうか?


81の次の式は81-18だから戻っている」


「ずっと計算が続く」


このルールで計算を行うと,確かに同じ計算が繰り返されていきます。この式の繰り返しに子どもたちは,おもしろさを感じたのです。


しかし,これは3と5の数字のときだけの偶然かもしれません。子どもたちも,この時点では式が繰り返されることに対しては半信半疑です。

そこで,他の数字で実験を行うことにしました。


 その結果,右のように8と9,4と1でも子ど


もたちが見つけたきまりが当てはまることが確かめられました。
するとさらに,次の声も聞こえてきます。

「最初の式は抜いて,式が繰り返している」


「繰り返される式は5つある」

 3種類の組み合わせを比較することで見えてきた,新たな発見です。


 計算練習をしながら,次々と新しい発見が生まれた1時間となりました。

 この実践は,田中博史先生の「カプレカ数」の実践を参考にしています。