子どもたちに,次にように投げかけます。
「2つの数字を選んで,十の位同士のひき算を作ります。大きい数から小さい数を引きます」
5と3を選んだ場合は,「53-35」の式ができます。この答えは,「18」です。そこで今度は,この答えの1と8を使って式を作ります。「81-18=63」となります。さらに,この「63」を使って「63-36=27」と式を作ることを繰り返していきます。
ルールを理解した子どもからは,「しりとりの式だ」と素敵な言葉が聞こえてきました。子どもらしいたとえです。
この計算を続けていくと,右下のように途中で「54-45=9」となります。答えが9になった時点で,「これで終わりだ」と考える子どもが多数いました。
一方,「十の位を透明な0と考えたら,次の式が90-9と作れる」という声もあがります。「透明な0と考える」という見方は素敵ですね。
答えの9を,透明な0があると考え「09」とすると,さらに式を続けていくことができます。次の式は,「90-9」になります。
今度は「90-9=81」の答えが出た子どもから,「おもしろいことがある」と声があがります。おもしろいことなんてあるのでしょうか?
「81の次の式は81-18だから戻っている」
「ずっと計算が続く」
このルールで計算を行うと,確かに同じ計算が繰り返されていきます。この式の繰り返しに子どもたちは,おもしろさを感じたのです。
しかし,これは3と5の数字のときだけの偶然かもしれません。子どもたちも,この時点では式が繰り返されることに対しては半信半疑です。
そこで,他の数字で実験を行うことにしました。
その結果,右のように8と9,4と1でも子ど
もたちが見つけたきまりが当てはまることが確かめられました。