問題を見た子どもたちからは,「簡単」「式は1つしかない」「繰り下がりはないね」などの声が聞こえてきました。
計算を終えた子どもから,「わかった,答えは131だ」という声がたくさん聞こえてきます。子どもたちが見つけた,答えが一番大きくなる式は,「154-23=131」でした。これ以上の答えになる式は見つかりませんでした。「154-23=131」が答え最大の式で間違いなさそうです。
では,子どもたちはどのようにしてこの式を見つけたのでしょうか?
「答えを大きくしたいから,ひかれる数をできるだけ大きな数にする。それは154」
「反対に,ひく数は一番小さい数にする。それは23」
ひかれる数とひく数の大きさの関係を指摘する声です。しかし,この声に意味を理解することは,2年生の子どもには簡単ではありません。そのとき生まれてきたのが,S子の次の説明です。
「例えば,0.1.1の3つの数字の式なら,10-1=9が答えが一番大きいでしょ。引かれる数を一番大きくして,ひく数を一番小さくすれば答えは一番大きくなる」
「0.1.1」のシンプルな数字を例にした説明で,答えが最大になる式の秘密の理解が一気に進みました。こんな例題が2年生から生まれるのは素晴らしいですね。
秘密が見えると,子どもからは「分かった,今度は答えが一番小さい計算だ」と声があがります。この発想が生まれてくるのも素敵です。子どもたちが学びを深めていった瞬間だとも言えます。
早速,子どもたちがノートに式を探していきます。子どもたちが見つけた式は,「123-54=69」です。これが答え最小の式で間違いなさそうです。
子どもたちは,この式を見つける秘密を語り出します。
「さっきの反対だよ。ひかれる数を今度は,一番小さくする」
「ひく数は,一番大きくする」
「さっきの54と23を反対にすればいいんだよ」
この問題でも,子どもたちは答えを見つけるために秘密を見つけることができました。すると今度は,こんな声が聞こえてきます。
「でもさあ,答えが2番目に大きい式の問題だったら難しくなりそう」
「そうかなあ? 2番目だってきまりを使って簡単じゃないかな?」
これまでは1番目シリーズの式探しをしてきました。その結果を踏まえて,上記の声が生まれてきたのです。問題場面を拡張していく声が,子どもから生まれてくることも子ども自身が学びを深めていく姿だといえます。こんな視点が子どもから生まれてくるのも,本当に素敵ですね。