2023年9月23日土曜日

広さ比べ

 子どもたちに「広いのはどちらですか」と投げかけ,2枚の紙を提示します。ただし,2枚は離れた位置に,斜め向きに貼ります。すると,子どもから次の声があがってきます。

「横に置いてほしい」

「まっすぐにしてほしい」

「下を揃えて置いて」

「新聞ちぎりの時と同じだよ」(T子)

「(並べて置いたら)昨日の水の大きさ比べみたいだ」

「そうだね。太いペットボトルと背の高いペットボトルで比べたのと同じだ」

T子の声は,長さ比べを行ったときに基準量となる端の位置を揃えたことと同じことを,広さ比べにも当てはめた方がよいという考え方です。長さと広さの比較の考え方が,ここで関連付きました。

しかし,横に並べたものの見た目ではどちらが広いのかがよく分かりませんでした。そこで,「どうしたらどっちが広いか比べられる?」と尋ねます。

ここで生まれてきたのが「重ねる」という直接比較のアイディアです。そこで,2枚の紙を重ねます。ところが,黄色い紙もピンクの紙もどちらもはみ出してしまいました。すると,「はみ出したところを切ったらいい」というアイディアが生まれます。そこで,ピンクのはみ出した部分を切って,同じくはみ出した黄色に重ねてみます。すると,写真の通りに黄色が少しだけ広いことが分かりました。

さらに「もう一つの方法がある」との声があがります。

「昨日の水の比べ方の小さいコップみたいにする」

「小さい四角が何個あるかを調べる」

水のかさくらべでは,ペットボトルの水を小さなコップに移し替え,それが何杯分あるのかという方法を使いました。この考え方と同じ方法が,広さ比べでも使えるという考え方です。ここでも,水のかさの比較の考え方が,広さにも適用できることに子どもたちが気付くことができました。

先ほどの直接比較ではみ出した黄色の四角が,各四角形に何個分入るのかを考えました。その結果,黄色は9個・ピンクは8個入ることが分かりました。任意単位を使ったこの方法でも,黄色が広いことが分かりました。

直接比較・任意単位による比較,どちらも子どもたちには分かりやすい方法でした。最後に,教室にある「2つのドアの広さを比べるとしたらどうする?」と投げかけます。ドアを切ることはできません。

「筆箱を並べたらいい」

「教室の長さ比べのとき筆箱を並べたから,それと同じようにやればいいよ」

ここでも長さ比べの考え方と広さ比べの考え方が,関連付いていきました。