「10を超える数」の学習場面です。「大きい方が勝ちゲームをしよう」と,子どもたちに投げかけます。
1〜20迄の数字カードを裏返してホワイトボードに貼ります。クラスを2つに分けます。そのカードを代表の子どもが引きます。数が大きい方を引いたチームが1点獲得というルールです。
1回戦。星チームの子どもが,なんと「20」を引きます。このカードを見た子どもから「もう勝った」という声や喜びの声があがります。そこで,この声の意味をクラスで共有していきます。
「だって,20より大きい数はもうないからだよ」
「1〜20のカードだから,もうないね」
星チームの勝利は揺らぎがないようです。念のため?にジャガーチームがカードを引きます。結果は「3」です。予想通り星チームの勝ちとなりました。
さて,この結果を受けて「次は19なら勝てる」「19より上はないから」と,2回戦のカードについて予測する声が生まれてきました。
2回戦を行います。星組が「11」を引きました。このカードを見た子どもから「中途半端ー」と声があがります。よい声です。この声の意味を共有していきます。
「11は真ん中あたりの数だよ」
「ちょうど真ん中は10だよ」
「11が真ん中あたり」の声を受け,実際にどのあたりに「11」が位置付くのかを考えさせました。ジェスチャーで,「11」の位置を示す子どもがいました。そこで,ホワイトボードに1と20を書き,「11」がどのあたりに位置付くのかを指で指し示させました。これは全員が1と20の真ん中あたりを指します。これで具体的な数字の位置関係が見えてきました。これをきっかけに,次に声が聞こえてきました。
「11の上には8個の数があるよ」
具体的な数字とその個数を指摘する声です。よき見方の表出です。
その後,ジャガーチームがカードを引きます。なんと「19」という残りのカードの最高値を引き当てます。「11」と「19」は,いずれも十の位までの数値です。この場合,どの数字で大小を判断したのかも考えさせます。
「十の位が同じだから,一の位で比べたら分かる」
「さっきの問題は十の位が2と0だから,十の位で分かる」
「十の位が同じだったら,一の位を見たら分かる」
数字の大小比較の方法を明らかにしていきました。
3回戦を行う前には,「次は18を出したら勝てる」と声があがります。残りの数字カードを考えた鋭い声です。3回戦はジャガーチームが「6」を引きます。このカードが引かれたと同時に「負けるかも」という声がジャガーチームから聞こえてきました。そこで,この声を共有していきます。
「6より上は,7,8,9,10,12,13,14,15,16,17,18がある」
「11枚もある」
「6より下は,1,2,4,5の4枚しかない」
この後もゲームは続いていきました。ゲームを通して,数字の大小判断の基準だけではなく,数字の位置関係も明らかとしていくことができました。