2023年11月9日木曜日

ここも9!

 くり下がりの引き算の学習も,3時間目です。子どもたちに「バナナ算で計算しよう」と投げかけます。1問目は11−2,2問目は12−3を提示します。子どもたちは,バナナ算を使って答えを導き出していきます。

2問目の計算が終わった子どもから,「また9だ」「おもしろいことがあります」と声があがります。そこで,「また9だ」の声の意味を読解していきます。

「11−2の答えは9。12−3の答えも9」

「も」という一文字を意識的に使い,答えが2問とも9になることを説明していきました。よい言葉を選択できました。

さらに「おもしろいことがあります」の声を聞いていきます。

「12から11に1減ってる。3から2も1減ってる」

「反対から見たら,11に1たすと12。2に1をたすと3。1ずつ増えてる」

「だから答えが9になるんだ」

「それはたまたまでしょ」

「違うよ。いつでも9になるよ」

被減数と減数の変化の関係と答えが9になることに,汎用性があるのかを巡るズレが生まれてきました。この段階では,クラスの考えはほぼ二分しました。

そこで,「どうしたら分かるの?」と尋ねます。

「他の式で実験したらいい」

「13−」

答えが9になる式のきまりの偶然性を確かめる具体的な式の事例が,子どもから生まれてきました。そこで,被減数の声が生まれた時点で説明を止めました。13が生まれた背景と,その続きを考えさせるためです。

「11,12と1ずつ増えているから,13にした」

「だから,反対側も2,3,4になる」

「1ずつ増えるから4になる」

実験する式として,13−4という式を子どもが見つけてきました。果たして,この式も答えは9になるのでしょうか。

実験の結果,答えは9。「やっぱり9だ」という声が子どもから聞こえてきました。しかし,まだ「たまたま」という声も聞こえます。その後も,きまりをもとに式を作り出し実験を進めていきました。

計算練習に式のきまり発見を組み合わせた1時間でした。