2023年11月2日木曜日

たし算ピラミッドの続きを作ろう!

 前回学習したたし算ピラミッドは3段までした。この時間は,段数をさらに増やしたらどうなるのかを考えました。

4段目を増やします。4段目を提示すると同時に,「15になる」という声が聞こえてきました。そこで,この声の意味をクラス全体で考えていきます。

「16の下だから15」

「18,17,16,15になる」

「1個ずつ減っていくから15」

「ずつ」を使って変化の状況を説明することは,1年生にはハードルが高い部分です。しかし,この時間の子どもたちは「ずつ」を使って,その変化を説明することができました。

これで4段目の答えが,15になることが分かりました。では,4段目に入る式はどのようになるのでしょうか。

子どもたちは,左端の四角の式が分かりやすいと考えました。ここに入る式は,全員が「9+6」だと考えました。そこで,その理由を尋ねます。

「3段目(左端)は,たされる数が9になっているから」

「1段目は9+9。2段目は(左端)9+8。3段目は(左端)9+7。たされる数が,9,9,9だから,4段目も9になる」

左端の四角のたされる数9の共通点に気がつきました。これが見えてくると,右端の四角の式も同様の視点から,「たす数が9,9,9だから」という理由で見えてきます。

子どもたちが悩んだのは,真ん中の2つの四角に入る式です。左から順に「8+7」「7+8」と考える子どもが多くいましたが,別の式を考える子どももいました。

上の段の数字の8の位置に影響をされる子どももいました。「3段目の8の真下に8が入る」などの考え方です。そこで,4段目の真ん中の2つの四角に「8+7」「7+8」の式を仮で入れてみました。すると,「あっ!」という声が聞こえてきます。新たな視点が生まれてきた証拠です。

「9,8になっている」

「9,8,7になってる」

「9,8,7,6になっている」

「(たされる数が)1ずつ減っている」

「反対から見たら,(たす数が)1ずつ増えている」

「あっ,上もそうなってる。2段目も(たす数が)1ずつ増えている」

縦方向の視点から,横方向の視点が生まれてきました。さらにその視点は,4段目だけにとどまらず2段目や3段目にも同様に当てはまることを子どもたちが発見してきました。部分の見方を全体へと広げていく見方は,1年生にはかなりハードルが高い見方です。しかし,このように少しずつこの見方も活用できるようになってきました。

30分ほどの短い授業時間でしたが,価値ある見方が生まれた時間となりました。