2024年7月5日金曜日

帰納と演繹

三角形の内角の和が180度なのか否が問題となりました。前時の終わりに生まれた3つの角をちぎって合体させるアイディアを試すことから授業が始まりました。

子どもたちは,自分の図形の角を切って合体させていきます。しばらくすると「180度になった」という声があちこちから聞こえてきました。分度器ではうまく測定できかった角度の合計ですが,最も初歩的な切って並べるという方法で,全員の三角形が180度になることが分かりました。

その後,合同な三角形2枚を横に並べて提示します。すると,ここから子どもたちが動き出します。
「回してくっつける」
「平行四辺形ができる」
「あっ! 平行四辺形の角度は360度」
「同じ三角形2つで平行四辺形はできているから,360度を2で割ればいい」
「合体した三角を切り離すと,÷2が見える」

平行四辺形の内角の和が360度になることは既習です。その結果を使って,三角形の内角の和が180度になることを証明していったのです。演繹的な考え方です。授業前半の証明が帰納的だった場面と反対の方法です。

その後は,四角形〜六角形の内角の和を,演繹的な考え方を活用して求めていきました。

三角形の内角の和が180度になることを帰納的に証明していくことは,子どもの技能の考えるとかなりハードルが高い実態があります。今回のように,演繹的展開と両立できる展開がいいのかもしれませんね。