子どもたちに次の問題を提示します。
「定価5000円の帽子があります。ユニシロは20%引き,ユニアカは30%引きで売っています。すると相手の店を見て,ユニシロは更に20%引き,ユニアカはさらに10%引きにしました。どちらで買いますか?」
最初に聞こえてきたのは,「どちらも一緒」の声です。そこで,この声の意味を読解していきます。
「ユニシロは20%引きで,更に20%引きだから,合わせて40%引き」
「ユニアカは30%引きで,更に10%引きだから,合わせて40%引き」
「だからどちらも40%引き」
「どちらも一緒」の声の背景を読解することができました。
ところが,「もとが違う」「図を描いたら分かる」などの声が聞こえてきました。
「図にすると,最初の20%はここ(①20%)。さらに20%引きのときのもとの1はここ(青の1)」
「さっきより小さくなる」
「次の20%は,①よりも小さくなる」
「だから40%引きにはならない」
図を使い,最初のもとの大きさの1と,1回目の割引後のもとの大きさの1が変わることが見えてきました。この部分はていねいに共有していきます。
図のイメージから,2回の割引は40%よりも小さくなりそうだということが見えてきました。果たして,本当なのでしょうか。そこで,計算で確かめます。
「ユニアカは最初20%引きだから,5000×0.8=4000円。次は,この4000円から20%引きだから,4000×0.8=3200円」
「40%引きだと考えると,5000×0.6=3000円だから,高くなっている」
値引き後に値引きする場合は,割引の割合をそのままたしてはいけないことが見えてきました。