故郷に帰省しています。新潟ではローカル放送で佐渡を拠点に活動する世界的和太鼓集団・鼓童の特集を放送していました。鼓童の研修生として入った女性が正式団員に合格するまでのストーリーを追ったものです。
鼓童の正式メンバーになるためには,2年間の研修生活が必要です。テレビも携帯もない廃校を再生した施設で太鼓とじっくりと向き合います。しかし,それを終えても,研修生として合格できるのは3割ほどです。その後は,さらに研修生としての見習い期間があります。番組で取り上げられた研修生は,半年の研修期間がさらに3カ月延長されていました。その後,正式に正式団員として合格します。その間,ひたすら太鼓や自分自身と向き合っていきます。
鼓童は太鼓の音色を届ける集団です。だからこそ,太鼓にじっくりと向き合い,演奏の仕方に悩み続け,練習を続けていくのです。
翻って私たち教師の本業は何でしょうか? もちろん授業です。子どもが「今日の授業は愉しかった」と感じてくれるような授業を届けることです。そのためには,鼓童の団員さんのようにひたむきに授業創りに向き合い必要があります。しかし,働き方改革の名の下で,研究授業を廃止する学校があるそうです。意味のない事務作業や活動を削減することは必要です。しかし,私たちの本業である授業改善に向ける研修を削減することは,本業放棄ではないのでしょうか?
鼓童はお客様から入場料金をいただいて,太鼓の音色を届けています。お金をいただくということは,プロだということです。教師も公立の場合は税金で,私立の場合は授業料という形でお金をいただいています。従って,教師もプロなのです。
3年の研修期間を経て鼓童の正式団員になれた女性と比較して,改めて教師の授業準備に対する姿勢を見直すきっかけとなりました。日本の学校という組織は大丈夫かなあ…。