2021年3月4日木曜日

こんな1/4もあり?

2年生「分数」学習では,前時までに正方形の中に1/4を作


る方法を考えていました。前回の学習では,「×をくるくるパターン」「直角三角形パターン」の2つの方法が子どもから生まれてきました。


その時,「まだ分け方がある」と声があがったので,本当にまだ他に,1/4の分け方があるのかを,全員で考えていくことにしました。



 当初は,「もう,ない」という声が多数聞こえてきましたが,「縦にすれば簡単」の声をヒントに,左のような縦切り・横切りにすれば,1/4を作ることができることが見えてきました。


2年生の「分数」の学習としては,ここまで様々な1/4が見つけられれば十分に合格点です。

 

 ところが,子どもたちからは「まだ,あります」と声があがってきました。一方,「さすがに,もうないでしょ」という声も聞こえてきます。


「まだ,ある」という子どもから,少しずつヒントをもらいながら,1/4の分け方を考えていきます。


最初に生まれてきたのは,左の分け方です。子どもたちは,「縦切りと直角三角形パターンの両方が入っている」とヒントを出していました。うまい例え方です。


続いて,右の分け方でも1/4が作れると声があがります。しかし,見ただけでは本当に1/4なのか疑心暗鬼の子どももいます。


そこで,実際に各パーツを切り取って確かめた子どももいました。4つのパーツを重ねると,見事ぴったりと重なります。子どもたちも驚きの新バージョンでした。



これまでは,直線だけで分割していました。しかし,今回は途中で曲がった直線で分割しています。こんな分け方でも1/4ができることが見えてくると,子どもの追究はさらに勢いを増します。右のような分け方が,さらに子どもから生まれてきました。

 

また,この日の自主学習では,左のような1/4を作り,折り紙で本当に


同じ大きさのパーツに分割できるのかを実験する子どもが何人もいました。


分数学習は,2年生の子どもたちの心にぴったりとフィットしているようです!





2021年3月3日水曜日

正方形でも1/4はできるの?

2年生の「分数」では,時計型ケーキを使って分数の学習を進めてきました。時計の目盛りを基準とすることで,様々な分数が作れることを見つけてきました。


 そんな子どもたちに,次のように投げかけます。

「時計型ケーキ以外でも,分数はできるかな?」


 子どもからは,「できる」と声があがります。そこで,次のように尋ねます。

「どんな形なら分数ができそうですか」

子どもからは,「三角形」「正方形」「長方形」と声があがります。その中でも,「正方形」は「やりやすい」と考える子どもが多数を占めました。

そこで,正方形の1/4を作ることができるのかを考えさせます。

 

 最初に,右の分割方法を板書してもらいます。確かに1/4
できています。これを見た子どもから,次の声が聞こえてきます。


「まだ,あります」

「えっ,もうないよ」

「丸といっしょだから,まだあるよ」

「時計型ケーキは,最初が十字架で次が×だったでしょ。だから,まだあるよ」

「時計型ケーキは,最初が十字架で次が×。正方形は,最初は×でしょ。だから,次は十字架がある」



 子どもたちは,時計型ケーキで1/4の分割方法を見つけた手順を想起しながら,正方形にも同じ考え方を当てはめられると考えたのです。素晴らしい着眼点です。

 この視点で正方形を分割すると,左のような1/4を作ることができました。時計型ケーキと関連付ける考え方の確かさが証明されました。

 

 多くの子どもは,これ以上1/4の分割方法はないと考えていました。ところが,「まだ,ある」という声が聞こえてきます。ここでも,時計型ケーキの分割方法での考え方が生まれてきます。


「時計では,1分ずつずらすと1/4ができたから,同じように考えればいいよ」

「でも,正方形には目盛りがないよ」

「だったら,1㎝ずつずらしいけばいいよ」


 右のように少しずつ十字架をずらしていくことで,様々な1/4ができることが見えてきました。


 子どもからは,「十字架印以外の1/4も作れる」と声があがりましたが,この時間は時計型ケーキの分割と関連付ける見方・考え方を引き出すことが目的なので,この発想は次回に取り上げることにしました。


 時計型ケーキの分割と正方形の分割のつながりが見えた1時間でした。



2021年3月1日月曜日

中学の数学対策に 高学年のうちに筋道立て考える体験を〜日経DUALLインタビューから

 中学校数学では,小学校の算数と違い,一気に抽象的な世界での学習が始まります。しかし,算数でも数学でも大切な土台は共通しています。それは「論理的に考える力」が土台としてあることです。

では,小学校段階で子どもの論理的な力を鍛えるためにはどのようなアプローチを教師・親は取り組めばよいのでしょうか。

この部分に焦点を当てた私のインタビュー記事が,日経DUALLに掲載されています。興味のある方は,以下のアドレスからお進み下さい。


中学の数学対策に 高学年のうちに筋道立て考える体験を

https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101900012/021900153/

2021年2月25日木曜日

1/3を子どもが創り出す!



時計型ケーキ問題のその後です。時計型ケーキの1/4の大きさの表現の仕方を前回学習しました。その時に,「だったら,1/31/2もできるかも・・・」という声が聞こえてきました。


この声を今回は取り上げて,授業をスタートします。先ずは,次のように投げかけます。

1/4以外の分け方,どんな数なら簡単にできそうですか?」


 子どもからは,次の声があがってきました。


1/2」「1/3」「1/8」「1/5」「1/12


1/2は,ほとんどの子どもたちが「簡単にできそう」と考えました。「だって,半分だもん」とその理由を説明します。

一方,それ以外の数は「難しそう」と子どもたちは考えました。中でも,1/12は分母が10を超えます。「これはできないよ」という声が多数聞こえてきます。ところがここで,次の声が聞こえてきます。

「5分ずつ切ったら簡単だよ」

「そうか,だったらできる」

「簡単だ」

「えっ,どういうこと?」


 2年生は,まだ図形感覚が十分に発達していません。「5分ずつ」の言葉から,その先がイメージできる子どもと,それが難しい子どもがいるのは2年生では自然な姿です。頭だけで考えても難しいので,実際に時計型ケーキを5分ずつ分割することにしました。

 

分割作業が始まってしばらくすると,「本当だ」「1/12ができた」と喜びの声が聞こえてきます。実際に実験することで,5分という時間に目を付けて分割することで,1/12が作れることが見えてきました。


 5分ずつ分割がうまくいったことを体験した子どもたちは,勝手に動き出します。


「だったら,10分ずつもできるよ」→1/6

20分ずつもできるね」→1/3

30分ずつもいけるね。これは半分だね」→1/2


子どもたちは,分割する時間を10分ずつ増やしていきました。このように変化に目を付けてその先を考えることも,算数では大切な考え方です。


この活動の中から,子どもたちは指導が難しいと言われている1/3の大きさの世界へも自然に入っていくことができました。


 時計の時間に目を付けることで,それまで難しいと感じていた1/31/12が簡単にできることを発見していくことができました。



日経DUALインタビュー データの活用の取り組み方

 日経DUALに,小学校高学年で重視されているデータの活用の取り扱い方についてのインタビュー記事が掲載されました。

今回の学習指導要領から,高学年でデータの活用が重視されています。それに伴い,「最頻値」「中央値」などのそれまで中学校数学で扱われていた用語が小学校でも扱われるようになりました。

用語を含めて,データの活用領域の内容は教え込み形式になってしまう傾向があります。しかし,それでは内容は子どもたちの納得するものとはなりません。

では,どのようにこの場面を取り扱えばよいのか,学校でできること,保護者としてできることをインタビュー記事としてまとめたものです。

詳細は,以下のアドレスからご覧下さい。


■高学年算数「データ活用」の内容変化 興味どう持たせる

https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101900012/021800152/

2021年2月24日水曜日

「問いをつくり出す力」を育てる算数の授業開発13の視点 予約開始!

私が教師人生を歩み始めた頃,理想の教師がいました。社会科の授業名人,有田和正先生です。有田先生は社会科の授業名人,教材開発の名人と呼ばれていました。有田先生の教材開発力は,本当に驚くばかりで当時の私の憧れの先生でした。

算数でも有田先生の社会科のような教材開発を行い,子どもがわくわくする授業を創りたいと考え,日々教材開発を進めてきました。


あれから時が流れました。現在の私は多くの先生から「どうしたら尾﨑先生のような教材開発のアイディアが思いつくのですか?」というご質問を多く頂戴するようになりました。そこで,今回はそのご質問に答える本を作成してみました。

東洋館出版社から発刊です。タイトルは,次の通りです。

『「問いをつくり出す力」を育てる算数の授業開発13の視点』


算数版,教材開発の視点を13個に整理して提案しています。
13の視点は何か,その視点からどのように授業を創り上げればよいのか。具体的な授業場面を数多く取り上げながら,その方法を提案しています。是非,お求め下さい。

目次は以下の通りです。

序 章 子どもに問いがなければ主体性は生まれない

第1章 子どもに問いをもたせる 教材研究の4つのポイント
 教材研究のポイント1 教科書教材のねらいを探る 
 教材研究のポイント2 1時間単位ではなく単元単位で捉える
 教材研究のポイント3 別の教科書と比較する
 教材研究のポイント4 教育書籍を参考にする

第2章 子どもが自然と問い出す 教材に仕込む5つのギャップ
 教材に仕込むギャップ1 友だちの考えとのズレ
 教材に仕込むギャップ2 教科書と子どものズレ  
 教材に仕込むギャップ3 予想とのズレ
 教材に仕込むギャップ4 感覚とのズレ
 教材に仕込むギャップ5 既習とのズレ

第3章 子どもの問いを引き出す 授業展開の4つのアプローチ
 授業展開のアプローチ1 真偽を問う
 授業展開のアプローチ2 同じと思わせる
 授業展開のアプローチ3 子どもに任せる
 授業展開のアプローチ4 できないと思わせる

終 章 授業開発のレベルを上げるステップ


お求め,予約は以下のアドレスからお願いします。







分数は時計から

算数の時間,次のように子どもたちに投げかけます。

「時計型ケーキがあります。赤いところは,ケーキ全体のどれだけですか」


 右のようなケーキの赤い部分の表現の仕方を考えさせました。多くの子どもが考えたのが,「4個分の1つ」という表現でした。


 「4個分の1つ」は,ふわっとした表現です。そこで,この言葉の意味を読解していきます。


「部屋が4つあるってことだよ」

「赤いのは,その中の1つ分」

「4つ分は,全部同じ形になっている」


 時計を分割している4つの形が,全て同じ形・大きさだと子どもたちは考えました。そこで,「どうして絶対に同じ大きさといえるのか」を尋ねます。


「だって,全部15分になっている」

「青も15分,紫も15分,緑も15分,赤も15分。だから,4つとも同じ大きさ」

 


 子どもたちが
「4個分の1つ」と表現したのは,4等分した1つ分という意味だったことが,15分という時計の学習と関連付けることで見えてきました。時計型ケーキを題材とすることで,子どもたちの視点は分割された部分の時間(分)を数値化することへと向かいます。数値化することで,4等分されていることが明確になります。


この読解活動をきっかけに,子どもたちの発想はさらに広がっていきます。


「他にも4つに分けた1つ分ができる」

「十字架でなく,×でもできる」

「3つに分けた1つ分もできる」

「それなら,2つに分けた1つ分もできる」

 

 前半の声は,他の分割方法でも「4等分した
1つ分」が作れることへの気付きです。

後半は,他の数でも等分割ができることへの気付きです。


いずれもよい発見です。この時間は,前半の声を子どもたちと確かめていきました。左のような4等分の形を発見することができました。