2022年1月20日木曜日

小数アップダウンゲーム

 3年生の子どもたちに,「じゃんけんアップダウンゲームをしよう」と投げかけます。

2人1組で行うゲームです。最初の持ち点は2.5点からスタートします。ジャンケンをして,パーで勝つと0.3点,チョキだと0.2点,グーだと0.1点の得点がアップダウンします。このゲームを2回戦行います。各回の得点の高い方から低い方の得点の差を求めます。この差が,今回のゲームの得点となります。

このルールを聞いた子どもから,次の声があがります。

「どっちかたくさん勝って,どっちかたくさん負けたらいいんだ」

この声のイメージは,すぐに伝わりました。子どもからは「よーし,1回戦はたくさん勝って,2回戦はたくさん負けよう」などの声が聞こえてきました。

じゃんけんゲームをスタートします。子どもたちは,「1回目はたくさん勝とう」などと意気込んでゲームに臨みます。しかし,相手がある勝負です。なかなか思い通りにはなりません。

2回戦のゲームが終わりました。高い得点から低い得点をひきざんして,自分の得点を求めます。しばらくすると「引き分けだ」という声がたくさん聞こえてきました。2/3以上の子どもたちが引き分けという結果になりました。

そこで,引き分けだった子どもたちの結果を聞いていきます。

 O男 1回目:3点 2回目:2点→3−2=1点

 H子 1回目:2点 2回目:3点→3−2=1点

この2人の得点は,1回目と2回目が入れ替わる特殊な事例です。そこで,「特別だから引き分けなんだね」と子どもたちに投げ返します。

すると,「違う!僕たちも引き分け」「中途半端だけど引き分け」という声が多数着てきます。そこで,それらの声を板書で明示します。

 I男 1回目:2.7点 2回目:2.7点→2.7−2.7=0点

 S子 1回目:2.3点 2回目:2.3点→2.3−2.3=0点

やはり引き分けです。しかし,これも1・2回目が同じ得点という特殊な事例です。

 I子 1回目:3.1点 2回目:2点→3.1−2=1.1点

 Y男 1回目:1.9点 2回目:3点→3−1.9=1.1点

今度は得点がバラバラですが,やはり引き分けです。この他のバラバラの得点の子どもたちも,結果は引き分けとなりました。すると,この結果を見た子どもから,新たな発見の声があがります。

「わかった。同じ得点が行ったり来たりするだけだから,引き分けなんだ」

「同じ点が勝つ・負けるだから,引き分けなんだ」

「だったら,どんな点でも引き分けになるということかな」

「あれ,(各回のゲームの)最後の2人の点数をたすと5点になってる」

「本当だ。私のチームも5点だ」

このゲームは,どんなじゃんけん結果になっても引き分けになるのです。その理由を論理的に説明しつくすことは3年生では難問です。しかし,3年生になりに同じ得点が差し引きされているだけという事実にその原因があるのではないだろうかと推測するところまでは辿り着くことができました。

実は,このゲームを進めながら子どもたちはたくさんの小数の計算練習を行っています。ゲームをしながら,計算練習もできてしまった授業でした!





2022年1月13日木曜日

7m50㎝は?

 3年生「小数」で,単位換算の問題に取り組んでいました。

26㎜=2.6㎝

3.2L=32dL

2L3dL=2.3L

これらの問題の後に,「7m50㎝=m」の問題を提示します。問題を見た子どもの中から,「あれ?」「ん?」という呟きが聞こえてきました。なにか違和感を抱いたのです。

ノートにに入る数値を書かせます。予想通り,子どもの考えは2つに分かれていました。「7.50m」と「7.5m」の2つです。2つの答えを見て,「どっちでもいいんじゃない」という声も聞こえてきます。

そこで,「7.50mと考えた気持ちは分かるかな」と読解活動を行います。

「㎝の長さは50㎝だから,それをそのまま小数のところに『.50』と書いた」

「前の問題は,左の数字がそのまま右の小数に表れたから,これも同じようにする」

それぞれ,論理のある考えです。「だったら,7.50mでいいね」と子どもたちに投げかけます。すると,次の声が生まれてきます。

「10㎝は0.1mでいいんでしょ。だったら,50㎝は10㎝の5倍。それなら,0.1mの5倍も0.5mと書けばいい」

倍概念を使った説明で,子どもたちも納得しました。ところが,この納得が次の疑問を導き出します。

「だったら,7m5㎝は何mになるの?」

子どもらしい素直な疑問です。子どもたちは次のように考えていきました。

「7.0.5mかな?」

「小数点は2つも付かないよ」

「7.05mだよ」

「だって,7m5㎝は7m05㎝ってことでしょ。だから,7.05m」

「それなら,6m1㎝は6m01㎝と考えて,6.01mとなるね」

「長さじゃない単位でもできるね」

7m5㎝を7m05㎝と考えることで,子どもたちは小数の範囲を拡張して考えていくことができました。



ブロックつかみゲーム第2弾

 3年生「小数」の学習で,ブロックゲットゲームを行っていました。今回は,その第2弾です。子どもたちに,次のように投げかけます。

「1.2に近い方が勝ちゲームをしよう」

子どもからは,「だったら12個取ったらいいんだ」と声があがります。ブロック1個は0.1点です。12個なら1.2点となります。前回の学習を活かしたすばらしい声です。

今回は,前回と異なりブロックを掴む時間を3秒に短縮しました。ハラハラドキドキ感を高めるためです。残りのルールは,前回と同じです。

早速ゲームを始めます。代表の子どもが目をつぶって,利き手とは反対の手でブロックを掴みます。最初の子どもが掴んだのは,5個のブロックです。点数化すると0.5点になります。この点数を見た子どもから,「0.7点だ」と差を求めた声が聞こえてきました。頭の中で計算して差を求めたようです。しかし,まだ差についての意識が十分にもてていない子どももいます。

そこで,「本当に0.7点なの? 本当ですか?」と子どもに投げ返します。すると,子どもたちから声があがります。

「ひきざんすればいいんだよ」

「1.2−0.5の式になるよ」

式化のアイディアが,子どもから生まれてきました。さらに次の声が続きます。

「筆算したら,簡単に分かるよ」

今度は,筆算のアイディアが生まれてきました。そこで,「筆算は,どうやって書くの?ノートに書いてみて」と,子どもたちに投げ返します。子どもたちがノートに筆算を書いていきます。さらに,代表の子どもが前でその説明を行います。

「小数第一位の2から5は引けない。だから,一の位から10借りる。12−8で4・・・」

これまでの整数の筆算と同じように説明を行いました。しかし,まだなんとなく分かった状態です。そこで,先ずは「10借りるって言ったけど,何を10個借りるのですか」と尋ねます。

「0.1が10個」

小数第一位に繰り下げる数の意味が明確になりました。続けて,「今までの筆算は一の位から計算してたよね。なんでこの筆算は小数第一位から計算しているの」と尋ねます。

「繰り下がりがあるから,小数第一位から計算する」

「1.2−0.5を一の位から計算したとしたら,一の位は1−0で答えは1。次に小数第一位を計算します。2から5が引けないから,一の位から借りたいけど,もう一の位の数字はない。だから借りられなくなって計算できない。だから小数第一位から計算する」

ゲームを通して,繰り下がりのある小数の計算の仕方を考えた20分間の算数でした。(行事の関係で1時間確保できなかったため)


2022年1月12日水曜日

愉しい算数授業をつくる会 オンライン開催へ変更&追加募集

今週末1月15日(土)12時15分から予定していました 「第2回 愉しい算数授業をつくる会」ですが,新型コロナ感染の急拡大を受けて,急遽オンライン開催に変更となりました。対面での参加を楽しみにしていた先生方,申し訳ありません。オンラインでもリアル感を出して進めていきます。詳細は,担当の森谷先生から連絡が入ります。


さて,オンライン開催に変更になりましたので,「大阪には遠くて行けない」という先生も,参加可能となりました。この研究会は,授業実践ビデオや講演会,Q&A講座を内容としています。まだ申し込み可能です。以下のアドレスから,申し込みください。

申し込みは,以下のアドレスからお願いいたします。

2022年1月11日火曜日

ブロックつかみ大会から,1.0か1の議論へ

 3年生「小数」の学習です。子どもたちに「ブロックつかみ大会をしよう」と投げかけます。

ルールは次の通りです。

①利き手とは反対の手でつかむ

②つかむのは5秒以内

③ブロック1個は0.1点

このルール説明の段階で,「10個なら1点」「100個なら10点」という声が子どもから聞こえてきました。これから学習する内容を予測した,すばらしい声です。

ゲームを進めていきます。1回戦は紫チームが1個,青チームが10個のブロックを掴みました。得点化すると,0.1点と1点となります。ところが,青チームの得点に対して,「1.0点じゃないの?」という声が聞こえてきました。

そこで,1.0点と考えた気持ちを読解していきます。

「もし1.2点とったとして,1.0点と書いた方が違いがわかりやすい」

「1.5点と1.0点を比べるとしたら,小数第一位の5と0を見れば違いがわかる」

「ひき算もしやすいね」

「1.5点と1点だと,1点には小数第一位はないから比べにくい」

他の数値と比較する際の計算のしやすさという観点から,「1.0」と表記するよさを子どもたちは読解していきました。一方,「でも,1点でいい」という声も聞こえてきます。その声を,聞いていきます。

「1ぴったりなら,『.0』はいらないよ」

「分数だったら,10/10は1と言っていた」

「1.2点は1点と0.2点となる。でも,1.0点を分数で無理矢理表すとすると,1点と0/10点となる。でも,0/10点という言い方はしなかった。だから『.0』はいらない」

「0はそもそもないということだから,いらないよ」

子どもたちは,「計算をする時には,小数第一位に0があると考える」「書く時は,1点と考える」と場合分けをして表記の仕方を考えていくことが出来ました。すばらしい発想力です。

その後もつかみどり大会を続けていきます。2回戦は,紫チームが1.2点,青チームが1点でした。この結果を見た子どもから,「ここまでの合計は青は2点」と合計を求める声が自然にあがってきました。小数のたし算を行う必然性を子どもが感じたのです。その後は,ゲームが終わる度に,そこまでの合計数も求めていきました。

0.1のいくつ分の計算と,小数のたし算をゲームを通して動じ進行で進めていくことができた1時間となりました。



2022年1月10日月曜日

全国算数授業研究大会が終わりました

 2年ぶりの全国算数授業研究大会が終わりました。オンラインという形式ではありましたが,300名を超える先生方に参加いただきました。ありがとうございました。

私と兵庫の久保田先生のペア対談には120名の先生方にご参加をいただきました。ありがとうございました。また,最後の見方・考え方シンポジウムでも,発表の機会をいただきました。見方・考え方を意識した授業が十分に学校現場に浸透していない現実があります。それに対して,私のクラスの2本の授業を例にしながら提案させていただきました。見方・考え方に重点を当てた授業が先生方のクラスでも充実していっていただけることを期待しています。

さて,東京学芸大の山田先生の公開授業提案も行われました。3年生の「小数」単元でした。パネルディスカッションの時間帯にチャットでご意見をあげてくださった方が多くいらっしゃいましたが,気になったことがあります。

本研究大会は,「研修会」ではなく「研究大会」です。今回は,見方・考え方を引き出す指導法の研究を行う「研究大会」です。従って,山田先生の授業について意見を述べる際には,自分の代案を述べる必要があります。パネラーの昭和学院小の平川先生は,ご自分の代案を提案されながら,山田先生の教材設定についてご意見を述べていました。

残念ながら,単なる意見や感想だけをチャットにあげている方がいました。授業者は真剣勝負で授業を構想し,授業を公開しています。意見を述べる際には,参会者も真剣勝負で自分の代案を考えてから発表することが大切です。

このスタンスは,全国算数授業研究会設立当初からのものです。次回は,8月9~11日の東京大会の予定です。代案を考えながら授業を参観いただき,また貴重なご意見を頂戴したいと考えています。


そうそう,3年生「小数」の導入場面は1月17日に和歌山で私も公開授業を行います。山田先生とは全く異なる導入です。私は,小数を子どもは知らないという前提で授業を行います。さて,どうなりますやら・・・。

2022年1月5日水曜日

2022年スタートです!

 新年あけましておめでとうございます。

今日は,明治図書の企画本でご協力をいただいた鹿児島の先生の学校をサプライズ訪問しました。冬休みなのでその先生は不在でしたが,京都の美味しいスイーツをこっそり置いてきました。

鹿児島の職員室は,本校や私がいた新潟とは異なる机配置でした。所変われば職員室も変わるですね。私にとっては大きな発見もあった訪問でした。

本校は7日(金)から学校が再開します。オミクロンが流行し始めてきたので,再び子どもたちの活動にも制限がかかるかもしれません。うーん,なんとかしたいですね。

来週は,和歌山で公開授業を行います。「小数」単元での公開という授業内容指定での依頼でした。小数は初めて出会う概念ですが,子どもと楽しみながら授業をしたいと考えています。

来週末には,大阪府池田市でも講座があります。こちらも感染対策をとりながら開催予定ですが…。これ以上感染拡大しないことを願うばかりです。