2024年11月30日土曜日

3本の線が生えている!

 盛岡の6年生に授業公開を行いました。

「どこの丸からスタートしたら一筆書きが完成しますか」

このように投げかけて,一筆書きに挑戦していきました。途中で,子どもたちはスタート位置の丸の秘密に気が付いていきました。

「真ん中からスタートしている」

「真ん中だから試したけど,できない」

「上に丸がないから,真ん中でもできないんだ」

「それなら最初のやつも上に丸がない」

「90°回したら,上に丸ができる」

「最後のは回すと丸がなくなる」

「上と下に丸があるとできる?」

「3本の線が生えたらできるんだ」

子どもたちは,途中から一筆書きができる丸の秘密に気が付いていきました。しかし,そのきまりが当てはまる図形と当てはまらない図形がある事実に出合います。いろいろな試行錯誤を経ながら,最後は「3本の線が生えたらできる」というオイラーの定理に行きつきます。次々の新たなきまりを見つけていく素敵な子どもたちとの1時間でした。


今日は盛岡で授業です!

 朝,目が覚めると盛岡は雪景色でした。寒いはずです。

今日は盛岡で小学校算数教育全国大会が開催されます。私は,6年生の授業を行います。どんな子どもたちとの出会いがあるのか楽しみです!

2024年11月28日木曜日

オセロから割合を作る!

前半は3種類のオセロの碁盤を提示し,どの碁盤が白が強いのかをノートにまとめました。子どもたちは,前時の学習を活用して,白の数と碁盤のます目の数を分数に表現します。その後,通分か小数化していきました。いずれの方法でも,白の強さを比較することができます。

その後,割合の0.5,0.25,0.75を黒で塗っていきました。同じ割合でも,様々な表現方法があることが分かりました。

 

2024年11月27日水曜日

白が強いのはどっち?

 子どもたちに「白が強いのはどっち?」と投げかけます。オセロゲームの白の強さを比較させます。

最初に提示した2つのオセロ碁盤は,見た目で白が強い方が分かります。ところがここで,子どもたちは次の声をあげてきます。

「これってツムツムGo!と似ている」

「№92で丸が2個と6個を比べたのと似ている」

「でも,ツムツムGo!が1つ部屋にツムツムが4個とかだけど,オセロは1つの部屋に1個しかないから違う」

「白の数だけでいけるよ」

単位量当たりの大きさの学習との共通点や違う点に,この時点で気づいてきました。

次に提示したのは,見た目ではすぐに判断できないオセロです。子どもたちは,自席から白の数を調べます。31個と30個で,31個の碁盤の方が強いことが分かりました。ところがこここで,次の声があがります。

「でも,ますの数が違ったらできない」

「そのときはそのときだよ・・・」

ますの数が同じという条件が変わったら,どうやって比べるのかという不安です。そこで,次の碁盤を提示します。子どもたちの予想通り,碁盤の数が異なります。子どもたちは,どうするのでしょうか?

子どもたちは,白の数を調べます。次に,碁盤のます目の数を調べました。問題はこの先です。

「分数にしていた人がいたんだけど」と,子どもに投げかけます。

「分数?」

「そうか!」

「通分したらいいんだ」

分母を碁盤の総ます目数,分子を白の数として分数表現したのです。割合的な見方です。この方法だと,最初のオセロは36/100,次のオセロは5/16と数値化できます。しかし,このままでは比べられません。そこで出てきたアイディアが通分です。通分すると,144/400と125/400になります。これなら分母が揃っているので比較できます。

ところが,「でも通分できないくらいに大きくなったらどうするの?」と対象場面を拡張した不安の声が聞こえてきました。

4ます表を使って,小数でオセロの白を比べた子どももいました。通分の大変さに気づいたアイディアです。しかし,今回の数値であれば,通分でも小数でもそれほど差はありません。

そこで,次のオセロを提示します。今回は3種類の碁盤があります。分数に置き換えると,21/100,9/25,2/9です。通分すると,189/900,324/900,200/900となります。しかし,この通分の作業は大変そうです。

すると小数表記の簡便さがクローズアップされていきます。21/100であれば,21÷100と計算できます。

最終的に「一度分数にしてから小数にすると簡単」と子どもたちは考えていきました。

割合の導入をオセロで行ってみた1時間です。

2024年11月26日火曜日

歩く時速を実験しよう!

 「歩く時速を実験しよう」

子どもたちに投げかけます。時速を測定するには,60分必要です。しかし,授業時間は45分です。すると子どもたちは,「分速を計って計算する」「秒速を計って計算する」と声をあげました。

話し合いの結果,秒速は誤差が大きくなりそうなので,分速を測定しその結果を60倍することにしました。

その後,グループ毎に分速を測定していきました。しかし,1分という短い時間であったためでしょうか,多くの子どもたちが異様なくらいに速く歩いていました。

計算結果を比較すると,時速6㎞台,7㎞台が続々登場しました。小学生・中学生・大人の平均分速を提示し,それを時速に置き換えていきます。大人でも4.2㎞ですから,子どもたちの結果は競歩選手並み??? 張り切りすぎたんでしょうね・・・。



2024年11月25日月曜日

往復問題に騙される!

 速さのいろいろな文章問題に挑戦しました。

往復の平均速度を求める問題に,多くの子どもたちが騙されていました。単純に時速をたして2で割る方法で計算を進めました。しかし,そこには速度で大切な時間の情報や道のりの情報h一切含まれていません。ここに気づけることが,騙されないためのポイントです。

大人でも騙される問題ですので,子どもが騙されるのも仕方ないんですけどね。


研究会の嵐?

 今日は京都の第2向陽小学校で京都府教育委員会の指定研究発表会があります。4本の公開授業と私の講演があります。長年,校内研究に関わっている学校です。公立学校では全国トップクラスの授業改革が進んでいる学校です。

今週はこの他に,岩手県盛岡市と新潟市での研究会にも参加します。各地の先生方にお会いできることを楽しみにしています。

2024年11月22日金曜日

大谷さんは難しい!

 今日は速さのいろいろな問題に取り組みました。4ます関係表を活用することで,どんどん問題解決していきました。しかし,最後の大谷翔平選手の投げるボールの速さ問題は難しかったようです。時速を秒速に置き換え,さらに次なる計算が待ち受けているからでした。



2024年11月21日木曜日

犬にリベンジ!

 「人は犬を超えられるのか?」

今回の算数は,秒速で犬と人間の速さ比べて人間が負けた悔しさから,リベンジマッチをすることになりました。

学習の一環なので,今回は全員が走って記録をとることにしました。4人チームで測定を行います。ただし,走る長さを11m13m,17m,19mと変えています。この数値は素数です。もちろん意図的です。この数値にしたのは,秒速を求める必要感を子どもたちに実感してもらうためです。 


測定日はグラウンドが使えなかったため敷地脇の弁天公園を使いました。「弁天公園で算数?」と驚く子どもの姿もありました。


各チーム1本の巻き尺を使って測定を進めました。測定後,教室で秒速を計算します。すると今回は,何人もの子どもが犬を超えました。人間,万歳!

2024年11月18日月曜日

子どもが違えば異なる反応!

前号でお知らせした「人と犬の速さ比べ」ですが,クラスが違うと反応も異なります。

こちらのクラスでは,道のりも走った時間も異なる人と犬の比べ方のアイディアとして,公倍数・1m当たり・1秒当たりの3種類が生まれてきました。

当初は1m当たりが分かりやすいと考える子どもが多くいました。ところが計算結果が目の前に現れると,異なった反応が生まれてきました。

「答えが多いと遅いんだよ」

「分かりにくい」

「答えが少ないと速いんだよ」

「???」

一方,1秒当たりは,答えが多い方が速いと判断できます。この判断基準は既習の学習内容と同じです。そのため,子どもたちが分かりやすいと判断する解決方法は1秒当たりに大きくシフトしていきました。

その後,野ウサギを加えて速さ比べを行います。野ウサギが加わると公倍数方式は,とても大変な数になってしまいます。最後は,ほぼ全員が1秒当たりが分かりやすいと考えが変わっていきました。

クラスが異なると,反応の大きく異なる時間でした。 


人間VS犬

「人間と犬,速いのはどちら?」

子どもたちに投げかけます。 これを聞いた子どもたちが声をあげます。

「同じ長さを同時にスタートしたら分かるよ」

「同時じゃなくて別々でも分かるよ」

「例えば50m走なら,それぞれ何秒か調べたら分かるよ」

「秒をそろえても分かるよ。1秒で何m走るかでも分かるね」

子どもたちは,長さか時間をそろえたら比べられると考えました。

そこで,子どもたちにそれぞれが走った動画を見せます。見ただけでは,長さも時間も分かりません。子どもたちは,それぞれの情報が欲しいと声をあげます。そこでこれらの情報を提示します。

人 31m 5.9秒

犬 21m 3.9秒

子どもたちは「中途半端」と声をあげます。それと同時に次の声が続きます。

「1秒の平均が使えそう」

「1秒で何m走るかを調べたらいい」

「4ます表にしたらわかりやすい」

そこで,4ます表から1秒当たりに走る長さを計算していきます。

結果は,人は5.3mで犬は5.4mでした。わずかな差で犬が速いことが分かりました。

一方,1m当たりに進む道のりを計算した子どももいます。人は0.19秒で,犬は0.18秒でした。

子どもたちは,1秒当たりの方が比べやすいと考えました。

その後,人が勝てそうな動物を速さを考えていきました。カンガルー,ペンギン,野ウサギを調べました。いずれも人間の方が速いことが分かりました。

ここまでの比べ方は,1秒当たりの道のりにそろえることで速さを比較しています。秒速の導入でした。


2024年11月17日日曜日

「算数授業で大切にしたい考え方」講座IN新潟

 「算数授業で大切にしたい考え方」をテーマにして対面の研修会を,2025年1月25日(土)に新潟市立中央図書館ほんぽーとで開催します。

地元新潟の若き先生方からの提案と,私の授業ビデオ上映を行います。私の講座では,実際の授業ビデオを上映しながら「考え方」について解説を加えていきます。
このスタイルの研修を,今年度いくつかの地域で試してみましたが,どの地域でも先生方に大好評でした。写真や本からイメージする授業展開像には,どうしてもズレが生まれてしまいます。しかし,授業ビデオであれば全員が共通のイメージを持つことができます。さらに,そこに解説を加えていきます。「百聞は一見に如かず」効果ですね。

研修会の詳細とお申し込み先は以下からお願いします。今回は少数精鋭企画なので,定員は20名限定です。お申し込みはお早めに!

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfg45MaCeGUSm44y1kXoSKMdRDR7W5-l1Bec2hrPApW-8eB0w/viewform




授業伴走企画

 今日はオンラインで授業伴走企画を行いました。この企画は,授業提案者と私が,ほぼマンツーマンで公開された授業ビデオに対して意見を交換する研修です。今回は某私立学校の1年生担任の先生の授業公開でした。

子どもの声に耳を傾けて,的確にその声を子どもたちに返していける素晴らしい力量を持たれた先生です。

授業伴走企画は,授業テラスが募集しているものです。現在は2名の伴走者の先生と研修を進めています。半年ほどの長期戦の企画です。次年度も同様の企画を進めます。ご希望の方は,それまでお待ちください。

授業力アップにつながることは,間違いない企画ですね。授業公開を行うことは大変かもしれませんが,この経験を経ないと授業力は高まりませんね。

GAKUTOセミナーへのご参加ありがとうございました

 GAKUTOセミナー大阪が終わりました。関西の2人の先生から模擬授業提案がありました。その2つの授業について,私を含めた3人でパネルディスカッションを行いました。このパネルが大いに盛り上がりました。2人とも授業を見る切り口が鋭いものがありました。また代案をしっかりと提示することができたことが,盛り上がった要因の一つです。さすが全国算数授業研究会幹事だけあるなあと感心しました。

来年度もGAKUTOセミナーを開催予定です。お楽しみに!

2024年11月16日土曜日

今日はGAKUTO大阪セミナー!

 今日はGAKUTO大阪セミナーです。すでにセミナー,懇親会とも満席です。早めにお申し込みいただいた先生方,ありがとうございます。

遠くは東北,九州,四国から参加される先生もいらっしゃいます。休日にも学ぶ先生方の熱心さに頭が下がります。きっとよいクラス運営をされていらっしゃるのではないでしょうか。

私は教科書をベースに,子どもの見方・考え方を引き出す授業つくりのあり方を提案していきます。お楽しみに!

2024年11月15日金曜日

単位量当たりの大きさの様々な問題に取り組みました。問題場面は異なりますが,どの問題にも共通しているのが,異なるる量を1つ分にそろえて考えるという見方です。
どの問題も,子どもたちは4ます関係表を活用しながら,問題と向き合っていきました。


 

2024年11月14日木曜日

混んでるのは何県?

子どもたちが通学している関西4県の混み具合を考えさせました。

大阪が最も混んでいると全員が予想しました。一方,意見が分かれたのが2番目に混んでいる県です。兵庫と京都に予想が分かれました。
そこで,どちらの県が混んでいるのかを考えます。子どもたちが計算を始めると,「どっちがどっち?」という声が聞こえてきました。この声の意味を読解していきます。
「4ます表にしたときに,基にする場所で悩んでいる」
「1にするのを,面積にするか人数にするかだ」

1となる基準をどちらにするのかで悩んだのです。この場合は,どちらを基準にしても計算自体を進めることはできます。
そこで,自分で基準を設定し考えていくとにしました。

京都の場合,1人当たりで計算すると,0.00182㎢。1㎢当たりで計算すると,549人です。
兵庫の場合,1人当たりで計算すると,0.0015㎢。1㎢当たりで計算すると,638人です。

この2つのデータを比べることで,子どもたちは「1㎢当たりで比べた方が分かりやすい」「1人あたりは,数が小さすぎて分かりにくい」「1㎢当たりで比べたると,大きい答えが混んでいるから分かりやすい」と1㎢当たりで考える方が分かりやすいことに気づいていきました。この視点が人口密度です。子どもたちが社会科学習でも見慣れている数値です。

その後,関西エリア以外の北海道・東京についても調べていきました。東京の人口密度の高さに,子どもたちはびっくりしていました!

 

2024年11月13日水曜日

コミコミチャレンジ!

 チーム対抗で,新聞の上に最大で何人が乗れるのかにチャレンジしました。ただし,新聞の大きさはくじで決めます。4種類の大きさがあります。そのため,新聞の乗った人数そのままではこみこみチャンピオンを決めることはできません。

「昨日のやり方が使える」

「4ます表で考えたらできる」

「小さい新聞1枚あたりにしたらいい」

前時の学習をもとに,単位あたりで考えるアイディアが生まれてきました。子どもたちは,一番小さな新聞紙を1枚と考えて,順次2枚分・3枚分・4枚分と面積を数値化していきました。これができれば,あとは前時と同じように4ます関係表を使って考えることができます。新聞紙1枚当たりに何人が乗ったかでチャンピオンを考えていきました。

単位量当たりの大きさを,新聞を使うことで実感する時間となりました。






2024年11月12日火曜日

ツムツムGo!

「どちらのエリアでツムツムGoをしたいですか?」
このように投げかけ,2枚の正方形の中にツムツムが生存するシートを提示します。子どもたちは,シートの提示と同時になにかを数えています。なにを数えているのでしょうか?

子どもたちが数えていたのは,ツムツムの数でした。左が6匹,右が2匹です。子どもたちは,面積が同じシートなのでツムツムの数が多い方でツムツムGoをしたいと考えました。つまりツムツムを数値化することで比較できると考えたのです。

ところがここで「今の状態?」と疑問の声があがります。そこで,この声の意味を読解していきます。
「例えば,四角が大きくなったらどうなるの?」
「エリアの大きさが変わったら,ツムツムの数で比べられるのかな?」

まだ見えていない問題場面を想定した声です。そこで,次のシートを提示します。子どもたちは一斉になにかを数えています。なにを数えているのでしょうか?

子どもたちが数えていたのは,2つありました。ツムツムの数を調べる子どもと,シートに中に見えている正方形の数を調べる子どもです。
ツムツムの数は,25匹と23匹です。数値で比べたら,25匹のエリアでツムツムGoをしたくなります。ところが,ここで子どもから声があがります。
「ツムツムの数が違うけど,面積も違うから,ツムツムの数だけでは比べられない」
「平均の面積を使ったらいいんじゃない」
「№51の平均を使ったらいい」
「4ます関係表にして考えたらいいよ」
「25匹で13個を4ます関係表で比べたら,25÷13で1.92・・・匹」

子どもたちは,シートの中に見える正方形1個当たりにいるツムツムの数を計算していきました。同様に考えると,23匹のシートは1個当たり2.06・・・匹になります。従って,11個に23匹のツムツムがいる方がツムツムGoをやりたいエリアであることが見えてきました。

その後は,この考え方が一般化できるのかを別のシートで実験していきました。授業終盤には,ツムツム1匹当たりがもらえる面積で比べる考えも生まれてきましたが,こちらの考え方は答えが小さい方がツムツムGoをやりたいエリアと判断することになります。答えの大小関係の判断が先ほどと反対になるこの考えは,子どもにとっては分かりにくかったようです。

単位量当たりの大きさをイメージする1時間目でした!



 

2024年11月11日月曜日

「ん〜?」「えっ?」「超簡単」

複数の図形が組み合わさった面積を求める問題に取り組みました。「ん〜?」「えっ?」「超簡単」は,問題を解いているときに聞こえ来た声です。
3問を解き終えた子どもからは,
「①が一番難しかった」
「段々簡単になってきた」
との声が聞こえてきました。

 

2024年11月8日金曜日

比例?

 子どもたちに「三角形の面積を求めよう」と投げかけます。なにを今さらという表情の子どもたちです。

底辺6㎝・高さ1㎝の三角形の面積を求めます。子どもたちにとっては簡単な問題です。

6×1÷2=3(㎠)

続いて,この三角形の高さを2㎝へと変化させます。面積は簡単です。

6×2÷2=6(㎠)

するとここで,子どもたちが様々なことを語り始めます。

「倍々になっている」

「なにそれ?」

「比例になっているんだよ」

「比例ってなんだっけ?」

「だから,高さが2倍になると答え(面積)も2倍になっている」

「次は9㎠になる」

「表を描いたら分かりやすくなる」

「表を描いたら,だんだん倍々になっているのが分かるよ」

三角形の高さが1㎝・2㎝の情報から子どもたちは,そこに比例関係があることを見出していきました。さらに,表を使うことでまだ目の前に見えていない高さが3㎝・4㎝…などの三角形の面積が分かると考えたのです。

たった2つの情報でこれらの気付きが生まれ,お互いに関わり合える子どもたちの姿はすばらしいですね!




2024年11月7日木曜日

全部同じ式?

「(□+〇)×高さ÷2の式で面積が求められるのは,どんな図形ですか?」
子どもたちに投げかけます。「台形」という声も聞こえてきました。

そこで,どんな図形をイメージしたのかノートに作図させます。多くの子どもたちは台形を作図します。これについては,式と図がつながります。
一方,平行四辺形や長方形を作図した子どももいました。しかし,「えっ,どういうこと?」という声も聞こえてきます。そこで,これらの図形が冒頭の式につながるのかを,読解していきます。
平行四辺形・長方形とも,それぞれ同じ図形を倍積変形することで,式とつながることが見えてきました。

すると「ひし形もいける?」と声があがります。
「ひし形は回転したら,平行四辺形になるから大丈夫」
ひし形が平行四辺形の仲間であることを使った説明です。

続いて「たこ型はどうかな?」と声があがります。これも冒頭の式に変形できることが見えてきました。

すると「三角形もできるんじゃない?」「三角形?それはできないよ」との声が続きます。対象場面が四角形から三角形へと拡張していきました。
三角形を反対向きにして横につなげたり,上底部分を0㎝と考えたりすることで,三角形も冒頭の式で求積できることが見えてきました。

これまでに学習してきた様々な面積の求め方が,1つの式に集約できることに子どもたちは驚いていました。

この実践は,「板書シリーズ6年生」(東洋館出版社)を参考にしています。




 

2024年11月6日水曜日

京都の学校を訪問!

 今日の午後は,京都の学校を訪問しました。全クラスの授業を参観しました。6年生の子どもたちが,半年前の訪問よりもとても素直で授業へのモチベーションが高まっている姿にびっくりしました。担任の先生の質の高い授業の蓄積の成果ですね。最高学年のこのような前向きな子どもの姿が,下学年にも大きく響いているようです。どのクラスも,半年前よりも子どもも先生も力量アップしていました。

学校全体としての学びに向かう姿の質の高さが,この授業改善の根底にありますね。やっぱり最後は教師の姿勢ですね!

素敵な案内看板を子どもたちが作ってくれました。こんな心遣いもうれしいですね!思わず「すばらCマーク」を書きました!



2024年11月5日火曜日

はさみを使わない!

 これまで子どもたちは,面積を求める際には図形をはさみで切って等積変形や倍積変形を行ってきました。今回は,その「切る」活動を制限した上でひし形の面積を求めさせました。

当初は「切らないと求められない」と考えていた子どもたちですが,しばらくすると図形に線を引くことで,面積を求められることが見えてきました。

1/4ほどの子どもは,ひし形は平行四辺形の仲間であることから,底辺と高さに当たる部分を見つけて,「底辺×高さ」で計算をしていました。

残りの子どもたちは,たこ型や平行四辺形で生まれてきた倍積変形や等積変形(引っ越し)のアイディアを使って面積を求めました。これらのアイディアは,2本の対角線の長さが分かれば面積が求められるという共通点があります。ここから教科書などにあるひし形の面積公式をまとめていきました。

子どもたちの解決方法は,いずれも既習の求め方を活用したものでした。既習の見方・考え方を子ども自らが活用していこうとするよき姿が見えた1時間でした。



2024年11月4日月曜日

授業を見て語り合う算数セミナーのご案内

 12月8日(日)に全国算数授業研究会関西ブロック主催の算数セミナーが,関西大学高槻ミューズキャンパスを会場に開催されます。

今回はなんと同学年・同単元での授業対決になります。6年「比例・反比例」の授業をビデオを公開します。同じ場面でも,授業者やその思いが異なれば全くことなる授業が展開されるはずです。どんな授業が展開されるのか楽しみですねえ!

お申し込みは以下からお願いします。

https://www.kokuchpro.com/event/ac9b9abd94e814e343b9268f64e27c11/


2024年11月1日金曜日

共通点がある!

ゼリーの型枠作りでは作ることができなかった形があります。それは台形です。そこで,本時は台形の面積を求めました。

多くの子どもが考えたのは,板書Bの求め方です。台形を倍積変形する方法です。一方,台形に1本の分割線を引き,2つの三角形にして求めた子どももいます。板書Cです。

この2つの求め方を考えたとき,「あれ,同じところがある」と声があがりました。

「高さの4㎝が,どちらの式にもある」

共通する数値の存在に気がついたのです。この気づきをきっかけに,さらに声が続きます。
「3と6もあるよ」
「÷2もあるよ」
「1つの式にまとめたら,(3+6)×4÷2にできる」

台形の公式につながる声が生まれてきました。公式にまとめると,さらに声が続きました。
「だったら3つの情報で台形の面積は求められるね」
必要な情報数に視点が向くのも,よい見方です。