子どもたちに「白が強いのはどっち?」と投げかけます。オセロゲームの白の強さを比較させます。
最初に提示した2つのオセロ碁盤は,見た目で白が強い方が分かります。ところがここで,子どもたちは次の声をあげてきます。
「これってツムツムGo!と似ている」
「№92で丸が2個と6個を比べたのと似ている」
「でも,ツムツムGo!が1つ部屋にツムツムが4個とかだけど,オセロは1つの部屋に1個しかないから違う」
「白の数だけでいけるよ」
単位量当たりの大きさの学習との共通点や違う点に,この時点で気づいてきました。
次に提示したのは,見た目ではすぐに判断できないオセロです。子どもたちは,自席から白の数を調べます。31個と30個で,31個の碁盤の方が強いことが分かりました。ところがこここで,次の声があがります。
「でも,ますの数が違ったらできない」
「そのときはそのときだよ・・・」
ますの数が同じという条件が変わったら,どうやって比べるのかという不安です。そこで,次の碁盤を提示します。子どもたちの予想通り,碁盤の数が異なります。子どもたちは,どうするのでしょうか?
子どもたちは,白の数を調べます。次に,碁盤のます目の数を調べました。問題はこの先です。
「分数にしていた人がいたんだけど」と,子どもに投げかけます。
「分数?」
「そうか!」
「通分したらいいんだ」
分母を碁盤の総ます目数,分子を白の数として分数表現したのです。割合的な見方です。この方法だと,最初のオセロは36/100,次のオセロは5/16と数値化できます。しかし,このままでは比べられません。そこで出てきたアイディアが通分です。通分すると,144/400と125/400になります。これなら分母が揃っているので比較できます。
ところが,「でも通分できないくらいに大きくなったらどうするの?」と対象場面を拡張した不安の声が聞こえてきました。
4ます表を使って,小数でオセロの白を比べた子どももいました。通分の大変さに気づいたアイディアです。しかし,今回の数値であれば,通分でも小数でもそれほど差はありません。
そこで,次のオセロを提示します。今回は3種類の碁盤があります。分数に置き換えると,21/100,9/25,2/9です。通分すると,189/900,324/900,200/900となります。しかし,この通分の作業は大変そうです。
すると小数表記の簡便さがクローズアップされていきます。21/100であれば,21÷100と計算できます。
最終的に「一度分数にしてから小数にすると簡単」と子どもたちは考えていきました。
割合の導入をオセロで行ってみた1時間です。