2023年6月8日木曜日

文章と時系列

 次の問題を子どもたちに提示します。

「お話に合う絵はどれですか」

前回と同じ問題です。1問目は「車が3台止まっています。後から2台来ると,車は何台ですか」でした。この問題は,全員が増加場面の問題文であることを認識することができました。

2問目に,次の問題を提示しました。

「赤い鳥が6羽,青い鳥が4羽飛んできました。全部で何羽になったでしょう」

合併場面の問題文です。その後,右の静止画像を提示します。提示と同時に,「違う」という声が聞こえてきました。しばらくすると「いいよ」という声も聞こえてきましたが,それは僅かでした。「違う」という子どもたちは,その理由を次のように説明しました。

「はじめに赤い鳥がいるのに,これはいない」

「後から青い鳥が来るのに,この絵だと違う」

これらの説明に対して,「『はじめに』なんて書いてない」「『後から』なんて書いてない」と反論の声があがります。この声で,少しずつ子どもたちの認識に変化が生まれてきました。ところが,引き続き「違う」と考える子どももいます。彼らの主張は,次の通りです。

「だって,先に赤い鳥が6羽って書いてあるから,先に赤い鳥がいるんだよ」

彼らは,文章の順番を過度に意識していたのです。子どもらしい考え方だなあと感心しました。その後,次の説明が生まれてきました。

「『とんできました』というのは,赤い鳥と青い鳥が一緒に飛んできたということだよ」

「後から来るなら『後から』と書くよ」

最初の問題文とも比較していく中で,合併場面の問題場面であることを認識していくことができました。

問題文の順番と増加・合併場面の区別が混同してしまうのが,1年生指導の難しいところですね。いやあ,1年生の考え方はおもしろいですねえ!