2023年10月19日木曜日

本+本はいいの?

子どもたちに「みつお君が,8+7になる問題を作りました」と問題文を提示します。しかし,これだけではまだなんのことやら分かりません。
そこで,みつお君が作成した問題文を提示します。最初に作問したのは「みかんが8個あります。7個もらいました。みかんは全部で何個になりましたか」です。これは全員が「8+7」になることに納得です。

次に作成したのは,「車が8台あります。花が7本咲いています。合わせていくつですか」でした。この問題文を提示するのと同時に,「ダメ」「本と台はだめ」「合わせられない」などの声が聞こえてきました。子どもたちは,この問題文では8+7の式はできないと考えました。
「だって,車と花は違う物だからたせないよ」
「本と台は違うから,たせない」
「前にも似たのをやったよ」
「アイテムにも書いてあったよ」
単位が異なる物はたせないことに,子どもたちは気付いていきました。それと同時に,「たせないものは他にもある」と声が聞こえてきました。ここから思わぬ展開になっていきます。
「みかんと車はたせない」
「花とみかんもたせない」
「花と鼻もたせない」
「同じ言い方でも,意味が違うとたせないね」
「橋と箸もたせない」
「箸と花はたせる。だって,本と本だから」

箸と花は,どちらも数え方の単位は「本」です。だから,この2つはたせるという考えです。なるほど,そう考えるのかと思いました。
さて,子どもたちはこの件についてどう考えるのでしょうか。
「違うよ。たしちゃだめだよ」
「箸と花は違うよ」
「でも,本と本だからいいよ」
「でもさあ,箸の本と花の本は種類が違うからだめだよ」

単位が同じでも,その種類が異なればたせないという見方が生まれてきました。この「種類」という言葉の登場で,前述の子どもも納得をしました。たせる数の単位と種類の関係が,箸と花が生まれることで,より明確になりました。
異種の比較対象物があることで,そのよさや意味はより明確になっていくことを実感した時間となりました。