2023年10月12日木曜日

10を作る計算は使えるのか?

 繰り上がりのあるたし算の2時間目です。前時で子どもたちは,10を作ってから残りの数をたしていく計算方法(加数分解)を考えました。

そこで,本時は「10を作る計算のやり方は,他の式でも使えるのかな」と投げかけました。

子どもたちは「使える」と考えます。そこで,子どもから生まれた「9+9」の式で実験を行います。この式は,加数分解で10を作ることで簡単に計算ができました。しかし,まだ実験は1問だけです。子どもからも,「まだ1個しかやっていないよ」と声があがります。

そこで,「6+6」「5+8」と実験を進めていきます。いずれの計算も,加数分解で計算を進めることができました。

ここまで進めたところで,次の声があがってきました。

「8+5も答えは同じになるよ」

「でもさあ,サクランボは違うよ」

被加数と加数を入れ替えても,答えは同じという予想が生まれてきました。しかし,加数分解を進める過程で見えるサクランボの数値は異なるという指摘です。後半の指摘で,子どもたちの「答えは同じ」という予想に対する見方が揺れてきました。少し先の世界を予想することは,まだまだ1年生には難しいようです。

そこで,「8+5」で実験を行います。この式でも加数分解を子どもたちは行ったので,サクランボの数値は異なります。しかし,答えは同じになりました。すると,他の事例を予想する声が続きます。

「だったら,8+7と7+8も同じ」

「6+6と6+6も同じ」

「4+9と9+4も同じ」

「6+7と7+6も同じ」

子どもたちの計算の取り組みを見ていると,3口の計算で彼らが発見した10を作ってから計算を進める方法が分かりやすいようですね。教科書では被加数分解・加数分解の両者が取り上げられていますが,子どもの感覚はそれとは異なるようですね。