2025年2月13日木曜日

グラウンドのコース差

「グラウンドに100mのコースを作ります。スタートラインを何mずらしたらいいですか」
このように問題場面を提示します。この問題文からイメージ化できる子どもと,イメージ化ができない子どもがいました。そこで,先ずは場面のイメージ化を行います。
「運動会のレースで外側の人が,少し前から走ったでしょ」
「同じ場所からスタートしたら,内側の人の円周が短いから不公平」

具体的なグラウンドの絵を描くことで,スタートラインをずらす意味が見えてきました。すると,「グラインドの直径が知りたい」と声があがります。そこで,半径が20mのグラウンドの絵を提示します。走路幅は1mです。このデータをもとに,1コース・2コース・3コースと半円部分の長さを求めていきます。
すると,それぞれの長さの差が3.14mずつであることが分かりました。この中途半端な差が生まれたことに子どもたちは驚きます。

しかし,実験したのは半径が20mのグラウンドです。違うサイズのグラウンドでも,スタートラインの差は3.14mなのでしょうか? この問いかけには半信半疑の子どもたちが多くいました。
そこで,半径が10mのウインナー型グラウンドで実験を行います。すると,「あってる!」「すげー!」と驚きの声があがります。すなわちこのグラウンドでも差は3.14mになりました。

これら2つのグラウンド実験から,「どんなサイズのグラウンドでも,スタートラインの差は3.14m」になることが見えてきました。ただし,これは円周部分を走るのはグラウンドの片側の場合です。両側の円周部分を走る場合は,3.14mの2倍になります。

これは地球をグラウンドに見立てても,同じになります。不思議な結果ですね。