2025年2月19日水曜日

これではできない!

「全てのパーツをつなげて立体を完成させよう」
このように投げかけて,班に1枚の封筒を渡します。封筒の中には厚紙で作ったパーツが入っています。それらのパーツを全て使います。また,パーツを折ったり切ったりすることはできません。これが条件です。

袋の中からパーツを取り出して作業開始です。ところがしばらくすると,「できない」「たりない」と声があがります。全ての班が「できない」と声をあげています。

各班の「できない」理由を全員で共有していきます。
三角柱のパーツを手にした班は,次のように声をあげます。
「横の長方形が1枚たりない」
「3枚いるのに,2枚しかない」

「横の長方形は3枚あるけど,上と下の面が1枚たりない」
「同じ形が2枚いるんだよ」

四角柱のパーツを手にした班は,次の声をあげます。
「横のパーツが3枚は同じだけど,1枚が細長い」
「これじゃあ隙間があいちゃう」
「同じ大きさの長方形がもう1枚いる」

五角柱のパーツを手にして班は,次の声をあげます。
「上と下のパーツは2枚あるけど,形が違う」
「五角形と六角形になっているから,六角形を五角形に変えないとできない」

また,六角柱のパーツを手にした班は次の声をあげます。
「横の面は6枚あります。でも,上と下の形が違う」
「六角形が2枚あるけど,形が違う」
「同じ形の六角形じゃないとできない」

実は,どの班にも完全にパーツは配布していません。実際に組み立て始めたことで,子どもたちはその不備に気がつきました。自分のイメージとは異なる場面に出合うことで,子どもたちは当たり前に考えていたことを明確に意識して言語化していくのです。
不完全な要素と出合った子どもたちは,この時間を通して角柱に必要な側面や底面の構成要素の条件を見出していくことができました。