2025年2月14日金曜日

お得なパークはどちら?

「10回の乗り物チケットの代金が同じ2つの遊園地があります。今日だけ山パーは4回分のチケットがサービスされます。川パーはチケット代金を4割引きにします。どちらがお得ですか」
先ずは直感でお得なパークを判断させます。お得度は同じと考える子どもが多数いました。
「山パーも川パーもどっちも4があるから,お得度は同じだよ」
このように多くの子どもは考えました。

しかし,子どもからは次の声があがってきます。
「代金を知りたい」
「代金は両方同じだよね」
「1000円と2000円だとお得度は違うんじゃない?」
「チケットの回数は山パーが14回で川パーは10回で回数がバラバラ」
「だから1回分を求めたらいい」
「でも,代金が分からない・・・」

はっきりしている点,はっきりしていない点が見えてきました。最大の問題点は,代金が分からない点です。すこで,子どもからは次の声が生まれてきました。

「両方とも1と見たらいいよ」
「?」
「最初の代金は同じだから1と見るんだよ」
「???」

代金が同じなので,それを1と見る考えです。しかし,かなり抽象度がためか,この思いはうまく伝わりません。すると,具体的な代金を「例え」る考えが生まれてきました。やはり具体的な問題場面(代金)がある方が,考えやすいようです。

「割り切れないと面倒だから,14と10の公倍数の代金にしたらいい」
「70円だね」
「でも,代金が安いから700円」
「700円なら山パーの1回当たりの代金は50円」
「川パーは1回当たり42円だから,川パーがお得」

700円という具体的数値設定は比べやすかったようです。しかし,「代金が違ったら,お得な遊園地は違うかもしれない」との声があがります。一般化できるか否かを問うよい声です。

そこで,代金が1000円の場合を実験します。
結果は,山パーが約71円,川パーが60円でした。この結果に「オー」と驚きの声があがります。代金が変わっても,お得度は変わらないことが見えてきました。

ここで,冒頭の2つの遊園地代金を1とする見方に戻ります。
代金を1とみると,山パーは1回当たり約0.071,川パーは0.06になります。この見方でも,お得度は川パーという結果になりました。

未知の代金を,具体的な数値設定で考える方法と,同じ代金だから1と設定する考え方の2つが生まれてきました。多くの子どもは,具体的数値設定が分かりやすかったようです。