「矢印をコピー機で拡大しました。正しく拡大されたのはどれでしょう」
元の矢印と4種類の矢印を提示します。見た目で判断させると,4つに判断は分裂します。ズレが生まれました。
子どもからは,見た目の判断で声があがります。
「④は辺が長すぎる」
「斜めの辺も長い」
「①は元と比べると,辺の比が違うように見える」
「②も矢印の先の高さが長すぎる感じがする」
辺の長さに着目する声があがります。これらの声を聞いた後の子どもの判断は,③が少し多くなりましたが,まだ4つに分裂しています。
そこで,どうやって調べるかを考えます。
「辺の長さを調べたらいい」
「辺の長さの比が,もし元が4:5なら,拡大した図も4:5になっていたら大丈夫」
「でも,角度も調べた方がいいよ」
「同じ位置の角度が同じ大きさなら大丈夫」
「矢印の先の角度を調べたらいいよ」
「そこは特別な場所で,そこを調べたら全てが分かる」
「面積もいるかもよ。6㎠だとしたら2倍になったら12㎠ならいいんじゃないかな」
「面積なら縦×横だから,2倍2倍で4倍じゃないの」
「面積いるかなあ・・・」
その後,提示した矢印と同じものを子どもたちに配布します。長さや角度を測定します。しばらくすると,③が拡大図だと子どもたちは最終判断をします。
「③は角度が全部同じで,辺の長さの比も1:2」
「④は角度は同じだけど,辺の長さの比が違った」
「②も角度は同じだけど,辺の長さの比が違う」
「①は角度も辺の長さの比も両方違う」
これらの調査活動から,拡大図か否かを判断するためには,「角の大きさ」「辺の長さの比」の2つの観点を調査する必要があることが見えてきました。
最後は,算数ノートと机が拡大図の関係かを調べました。多くの子どもは「拡大図」ではないと考えていましたが,実測するとほぼ拡大図の関係になっていることがわかりました。