「縦4㎝,横8㎝の長方形をコピー機で縮小します。縦を1㎝縮めます。横は何㎝縮めますか」
このように尋ねます。多くの子どもは「2㎝」と考えますが,「1㎝」と考える子どももいます。
先ずは,「1㎝」という考えの気持ちを読解します。
「縦が1㎝だから,横も1㎝縮めた」
しかし,「でも違う」と声が上がります。その後,横を2㎝縮める考えを子どもたちが説明していきます。しかし,これが他の子どもたちにうまく伝わりません。目の前の長方形の数値は,縦4㎝と横8㎝です。しかし,子どもたちが話題にしているのは,縮める方の長さです。全体の話と部分の話が混在しています。これが理解を困難にしていた原因です。
「縦が1㎝縮まると,長さは3㎝になります」
これで新たな数値「3㎝」が見えてきました。全体に関係する数値です。
「そうなると,最初の長方形の縦横の比は4:8で縮小した長方形の比は3:xです」
新しい長さの数値「3㎝」と,既習の比を活用することで,一気に理解が深まりました。
子どもの理解がうまく進まない時には,話題の舞台が全体レベルだけで進んでいるのか,そこに他の話題(今回は部分)が混在しているのかを見極める必要がありますね。