子どもたちに「パターンブロックつかみどりをしよう」と投げかけます。
袋に入っているパターンブロックを,3本指でつかみ取ります。
六角形のブロックの大きさを1オザとします。最初の子どもがつかみ出したのは,三角形のブロック3個でした。三角形の大きさは,1オザの1/6なので3/6オザになります。この答えは,1/6×3,1/6+1/6+1/6で求めることができます。
2回戦では,ひし形のブロック3個が取り出されます。ひし形の大きさは,1オザの1/3です。従って,取り出されたのは3/3オザ=1オザとなります。
3回戦では,2種類のブロックが同時に取り出されます。3/3オザと3/6オザの2種類でした。この2つをたして得点を求めます。ところが,「どうやってたすの?」と声があがります。
そこで,この声の意味を共有していきます。
「分母が3と6で違う」
「分母が違うからたせない」
「それなら分母を揃えたらいい」
すると,ここで最初のブロックつかみの板書を見つめる子どもの姿が見えました。どこを見ていたのか尋ねます。その子は,「1/6+1/6+1/6」の式を見つめていたのです。この式は分母が同じです。これならたせるわけです。
では,今回はどうしたらいいのでしょうか。
「分母と分子を2倍して,6/6にしたらたせる」
「4ます表みたいに考えたらいいよ」
「比例みたいだね」
このような説明が生まれてきました。しかし,3/3と6/6の大きさが等しいことを十分に納得していない子どもの姿も見られました。すると,図を描いて友だちを納得させる姿が,次から次へと生まれてきました。友だちが困ったときの説明道具として,図は有効に働くことに子どもたちは気づいていきました。
その後も,次の声が聞こえてきました。
「これって公倍数に似ている。分母は3と6。分母を揃えるために公倍数を探しているのは,倍数と同じ事をしている」
異分母分数の計算を考えることを通して,倍数学習とのつながりも見えてきた1時間となりました。