2024年9月9日月曜日

公約数への道

次の問題を提示します。
「□枚と○枚のタイルでビルを作ります。同じ階数のビルができることはあるの?」
問題文を読んでも,イメージができない子どもがいました。そんなときに生まれてきたのが,「例えば□が3枚で○が5枚なら」という例示の声でした。

3枚でできるビルは,1階と3階です。5枚なら1階と5階です。共通するビルの階数は1階です。この具体的事例が生まれてくることで,問題文のイメージが子どもたちにもできてきました。抽象の世界を具体の世界に例示を使って置き換えて考える大切さが見えた瞬間でした。

さて,この例示の枚数を考えているとき,「それって,倍数のリズムに似ている」「トントンパンとトントントントンパンと同じだ」と声があがります。共通する場面を見つけるという視点では,公倍数探しと同じだという指摘です。よい見方が生まれてきました。
子どもから生まれた例示は,3枚と5枚でした。1階しか共通階数はありません。そうなると1階以外の階数ができるのかに子どもの興味は向かいます。
3枚と6枚なら,1階と3階が共通します。
8枚と16枚なら,1階,2階,4階,8階の4種類が共通します。

共通するビルの高さに当たる数が公約数,その中の最大の高さのビルに当たる数が最大公約数になることを教えます。

約数の学習は長方形の中に正方形を敷き詰める問題場面がよく取り上げられます。しかし,この問題場面は,子どもの実態からは大きくかけ離れています。問題場面のイメージ化もかなりハードルが高い実態外あります。そこで,前回・今回と子どもがイメージしやすいタイルを使ってビル作りという問題場面を設定してみました。