2024年9月25日水曜日

同じ大きさなら当たりゲーム!


 子どもたちに,「同じ大きさなら当たりゲームをしよう」と投げかけます。

裏返したカードを2枚表にします。そこに書かれた数の大きさが同じなら当たりです。トランプの神経衰弱のルールです。

最初に引かれたのは1/4と9/36です。この分数を見た子どもからは,「通分したらいい」と声があがります。それと同時に,分母・分子を変身する計算をジェスチャーで示す子どもの姿見えてきました。しかし,その動きは微妙に違います。

そこで,代表の子どもが分数を変身させていきます。その子は,9/36を「÷6」する矢印を板書します。それを見た子どもから「あー」「約分の方がやりやすいんだ」と声があがります。

9/36を1/4に変身します。これなら2枚の数字の大小比較ができます。

一方,別の動きをしていた子どもたちはどのように考えたのでしょうか。彼らは,1/4を変身させる方法を考えています。分母・分子を4倍して9/36に変身します。この方法でも2枚の数字の大小比較ができます。こちらが一般的な通分の方法です。

この時点での子どもたちは,「わり算よりもかけ算が簡単だから,かけ算のやり方がいい」と考えています。

次に引かれたのは,3/21と4/12です。多くの子どもたちは通分しようと考えます。最小公倍数が分母になるのですが,この数値がすぐに子どもからは聞こえてきません。21と12の最小公倍数をすぐに見つけるのは難しいようです。すると,「約分したらいいじゃん」と声が聞こえてきます。

「3/12を約分して1/7」

「4/12を約分して1/3」

「1/7と1/3なら公約数は21と分かる」

「約分した方が,通分が簡単にできる」

21と12の最小公倍数が簡単には見つからないという事実に出合ったからこそ,子どもたちはより簡単な方法を見つけ出そうと考えたのです。その計算方法が,約分をしてから通分するというやり方でした。

その後に引かれた2/7と4/8でも,子どもたちは2/7と1/2に数字を約分してから通分を行う手順で,大きさを比べていきました。

「簡単にしたいのが人間の本能だから,約分をしてから通分するのがいい」

このように約分→通分の方法のよさを説明する子どももいました。

これまでに学習してきた約分と通分を思う存分に使いこなした1時間となりました。