2024年9月6日金曜日

四角いビルを作ろう!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「正方形のタイルを使って四角いビルを作ろう」

これだけでは問題場面のイメージが難しいので,タイルが3枚の場合を実験します。できるビルは,3階と1階の2つです。四角いビルを作るので2階はできません。

次にタイルの枚数が4枚の場合を考えます。子どもたちはノートにビルの図を作図します。できたビルは,2階・1階・4階の3つです。

ここまでの結果を見た子どもから,「きまりがある」と声があがります。

「3枚から4枚にタイルが1枚増えた。ビルの種類も2つから3つに1つ増えた」

「だったら5枚なら1つ増えて4つになる」

3枚・4枚の情報から,まだ実験していない5枚のビルの種類数まで予想した声が生まれてきました。

さらに「別のことを発見した」という声も聞こえてきました。

「3枚は3階の3÷3は割れる。1階の3÷1も割れる。でも2階は3÷1で1あまり1になるから,2階のビルはできない」

「そうか,あまりが出るビルはできないんだ」

タイルの枚数を割りきれる数の階数しか四角いビルはできないという発見です。この発見を,先ほど子どもたちが場面を拡張したタイル5枚に当てはめます。5枚を割り切れる数は,5÷1,5÷5の2つです。1枚ずつ増えるきまりを使うと4つという予想でしたが,今回の発見を使うと,別の数が見えてきました。

そこで,実際にビルを作図して確かめます。完成したビルは,5階と1階です。わりきれる数しかビルはできなという発見が,この問題でも当てはまりました。

5枚のタイルの実験が終わると,また新たな発見が生まれてきました。

「3枚でできたビルの3階と1階の数をかけると,3×1で3枚に戻る」

「本当だ。すごい!」

「4枚だと,1階と4階で1×4で4。2階はそのまま2×2をしたら4枚に戻る」

「5枚も,1階と5階だから1×5で5枚に戻る」

できたビルの階数をかけると,最初のタイルの枚数に戻るという発見は,子どもたちを唸らせました。

その後,これらの発見が他のタイルの枚数にも一般化できるのかを実験します。結果は,7枚でも9枚でも6枚でも当てはまることが分かりました。

ビルができる階数は,タイルの枚数の約数になっています。ビルを考えることを通して,約数ができるパターンを子どもたちは自然に考えていた1時間の実践です。