2023年4月21日金曜日

10の見方

 20分ほどの算数授業の一コマです。10個のボールシールを,ランダムに貼ります。その後,すぐに隠します。

「ボールは何個見えた?」

この問いかけに対して,「10個」「8個」「7個」「6個」と子どもの答えにズレが生まれます。このズレの原因を考える中で,子どもたちは「横に並べたらいい」と考えます。

そこで,バラバラのボールを横に並べてもらいます。代表の子どもが,ボールを4個横に並べます。ここで,この状態に並べた気持ちを読解します。

「横に並べると1,2,3,4と数えやすい」

「分かりやすい」

1年生なりの言葉で,一生懸命に説明します。

その後,5個目をどこに貼るのかを考えさせます。これは全員が4個目の右側でした。次に,6個目の貼る位置を考えさせました。すると,これは2つに分裂します。1個目下に貼り,2段にする考えと,5個目の右側に貼る考えです。私は,5個目の右が多いと予想していましたが,2段にする考えが6割ほどでした。これにはびっくりでした。

横と2段に並べる考え方の,それぞれの気持ちを読解していきます。

「横に場所があるから,1,2,3,4,5,6個と並べればいい」

「横なら,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10個と数えやすくなる」

最初の説明は,提示された6個目までの範囲で理由を語っています。ところが,次の子どもはまだ提示されていない7個目以降の場面に対象範囲を拡張して説明しています。1年生でも仮定の考え方を活用できる姿にびっくりです!

「(2段なら)場所がなくても貼れる」

「5個ずつの方が数えやすい」

2段の並べ方に対して,10を5と5と分解する見方が分かりやすいとする考えが生まれてきました。そこで,「2段にするなら,6個と4個でもいいんじゃないの?」と投げかけます。これに対しては,「数えにくい」「5と5が分かりやすい」と反論があがります。子どもは感覚的に,10を5と5と見るよさを持ち合わせているようです。