2023年4月24日月曜日

帰納的・類推的な見方の出発点

ブロックつかみゲームを続けています。ブロックの数が7個になったときのことです。

最初に取り出されたのは,赤2個・黄5個でした。このブロックを貼ります。すると「階段になる」「今日は6段になる」と声があがります。まだ1段のブロックしか貼りだしてはいないのに,その先を予想する声が生まれてきたのです。


そこで,なぜ6段と考えたのか,その気持ちを読解していきます。すると,ここから子どもたちの発想がつながっていきます。


「4月21日は6個で5段だった」

「4月17日は5個で4段。階段が1増えている」

「だから今度も1段増えて6段」

「1個減るのもある」

「ブロック5個は4段で1個減った。ブロック6個は5段で,ここも1個減った」

「今日は7個だから1個減って6段になる」


 子どもたちは,ブロックつかみ過去2回の学習をもとに,ブロック7段の段数を予想していきました。算数では,複数の情報から決まりを見つける学習が繰り返されていきます。帰納的な見方と呼ばれる考え方です。子どもたちは,この見方を使って,未知のブッロク7個の場合の段数を予想することができたのです。この段階でここまで考えられるのは,すごい子どもたちです!

 

その後,本当に階段が6段になるのかをブロックを並べて確かめていきます。結果は,子どもたちの予想通りになりました。


すると今度は「8個なら7段になる」「9個なら8段」「10個なら9段」と,さらに先の階段数を予想する声も生まれてきました。こちらは類推的な見方です。


この時間,帰納的な見方・類推的な見方の両者が生まれてきました。しかし,これらの見方ができる子どもはまだ一部です。だからこそ,その声の意味を時間をかけて読解し共有するとともに価値づけていくことが必要になります。1年生のこの段階からの教師の意図的な働きかけがなければ,子どもたちの数学的な見方・考え方を培うことは難しいのです。