2023年4月27日木曜日

絶対に8段!

 子どもたちに,次のように投げかけます。
「9個のブロックでできる階段は,段かな?」
数のブロックを2つに分解する階段シリーズの続きの学習です。先ずは子どもたちに,に入る数字をノートに書かせました。ここは全員が「8」と記入します。
「8だよ」
「ぜったいに8段」

子どもたちは,自信満々です。そこで,「なんで絶対と言えるの?」と投げかけます。ここから,子どもたちは自信の背景にある論理を語り始めます。

「8個の時は7段。7個の時は6段で1個増えた」
「その前も,6個の時は5段」
「そのまた前は,5個の時が4段で,ブロックが1個ずつ増えた」
「階段が4,5,6・・・と1個ずつ増えた」

ブロックの数と階段の数の両者を比べて関数的に語る説明はすぐには生まれませんでした。そこで,「階段は1個ずつ増えるんだ」と強調します。
すると,「両方一緒だ」と2つの事象を関連付ける声が聞こえてきました。さらに,両手を少しずつ上に同時に動かして,増えていく動作を表現する子どもも現れました。これらの声や動きを時間をかけて共有化していきます。

2つの変化を関連付ける見方は,この段階の1年生では少しハードルが高いことが見えてきます。しかし,一部の子どもはそれができます。そこで,その気付きを時間をかけて共有化し,その見方に価値があることとその見方を自分の言葉で言語化しアウトプットすることで脳に記憶させることが必要となります。この経験値の蓄積が,やがて子ども自身が2つの変化を関連付けていく見方・考え方へとつながっていくと考えられます。

その後,絶対に8段の子どもの考えが正しいのかを実験していきます。結果は,子どもたちの予想通りの8段の階段になりました。
結果が確認できると,「分かった,明日は9段だ」「ブロックは10個だ」と類推的に場面を拡張する声が生まれてきました。この見方は,1年生にも少しずつ浸透してきました。数学的な見方・考え方の引き出し方・育て方をいろいろと試しています。