2023年4月23日日曜日

「めあて」「まとめ」は本当に必要ですか?

授業の冒頭に「めあて」を板書し,終末には「まとめ」を板書する。これって本当に必要ですか? このことに疑問を感じた訴えが声が私に届きます。

「めあて」「まとめ」を板書するのは誰のためですか? 教師の自己満足ではないですか?

「めあて」「まとめ」を板書することで,教育効果が現れるという一部の識者がいますが何を根拠にそう述べているのでしょうか? まさか子どもへのアンケートではないとは思いますけど。子どものアンケートの客観性はかなり低いです。昨日と今日では同じ設問でも異なることを答えることは現場教師なら実感として知っているはずです。

本当に効果があると述べるためには,実証実験が必要です。「めあて」「まとめ」を板書したクラスとそうではないクラスを数年かけて追跡調査するのです。しかも,そのための子どもの人数は相当数必要です。効果があるか否かを判断するには,比較実験が必須です。医薬分野では当然のことです。しかし,このような実験を行っていないのにも関わらず,「効果がある」と述べるのはいかがでしょうか・・・。

東北大学加齢医学部の川島隆太先生は,スマホが子どもの学びに与える影響について仙台市教育委員会と協力して,7万人の児童・生徒を対象に9年間の追跡調査を行っています。ここでも比較実験を行っています。従って,川島先生のデータや所見は納得ができます。

大切なことは,今,何がクラス全体で問題(問い)になっているのかを全ての子どもが自覚化することです。その問いは,時々刻々と変化していきます。問いを子どもが自覚化しているかどうかが重要なのです。板書したからといって,そのめあてを子どもが自覚化しているとは限りません。多くの場合,教師が授業冒頭に板書する「めあて」は,子どもが解いてみたい問いにはなっていません。単なる命令文です。それでは意味がないのです。

また,前述した通り,時々刻々と問いは変化します。従って,授業冒頭の「めあて」が45分間も続くことは通常ではありえません。 

新年度の授業がスタートして2週間。自分の授業スタイルを見直してみませんか?