ホワイトボードに様々なシールを貼ります。「何が見える?」の私の投げかけに,「ボール」「トマト」などの声が挙がります。
様々な声の中からボールを取り上げます。子どもたちに「ボールが見えるの?」と投げかけます。「ある」の声に続いて,「3個ある」と数値化する声が聞こえてきました。単に「ある」ではなく「3」という具体的数値に置き換えて考えられることは,算数では大切な見方です。
その後,ボールが3個あることを確認していきます。先ずはボールが1個ある場所を確認します。確認が終わると,両腕を交差させてボールを指さす姿が見えました。この姿の意味を,全員に投げかけます。
「ボールがあと2個あるから,両方の手で指したんだよ」
残りの2個を,両腕で指し示したのです。この姿から,1年生なりに3が1と2で構成されることを認識したことが分かります。
これでボールが3個あることは確認できました。この確認と同時に,ノートにもボールと同じ数だけ○を描きました。初めての算数ノートを使う瞬間でした。ここでもいろいろな姿が見えましたけどね・・・。ここは省略します。
その後,「3個あるのはボールだけだね」と投げかけます。すると「違う!」「ペンギンも3だ」と声が挙がります。そこで,「本当に3なの? 」との投げかけると,今度はほとんどの子どもたちが両腕と指を駆使してペンギンの3カ所を指しています。なんともかわいい姿です。
ペンギンも「3」であることを確認した後は,教室にある「3」を探しました。これは様々な見方が生まれてきました。
先ずは,カレンダーにある「3」や時計の文字盤の「3」のように3そのもの。次に生まれてきたのは,「めあて」の3文字や「花束が3つ」のように3つで構成されるものです。1年生でも,数字そのものと3つの構成物とを使い分けて考える姿にびっくりです。その後,驚きの声が生まれてきます。
「『あ』にも3がある」
「あ」に「3」はありますか? そうです。画数です。まだひらがなの学習は始まってはいませんが,「あ」が3画で構成されることを見つけたのです。恐るべし1年生です。