2023年4月25日火曜日

8個は7段でいいの?

 前回の算数では,ブロック7個の分解数を考えました。2つの数に分解する場合は6段(パターン)あることが分かりました。そのとき,Y子が「次は7段になる」とその先を予想しました。この声を受けて,今日の学習を始めました。

先ずは「Yちゃんの予想を実験しよう」と投げかけます。昨日のY子の予想をどれだけの子どもが覚えているのかを,先ずは尋ねてみました。ところが,ほとんどの子どもたちは忘却の彼方でした。これが1年生です・・・。

その後,Y子の予想を共有します。さらに,「7段と予想したY子の気持ちは分かる?」と予想の根拠を読解していきます。

ここでK子が「昨日は7個で6段だった」と既習の学習場面に戻る声を挙げます。ここ数日で鍛えている既習と関連付ける算数の見方が表出してきました。この声をきっかけに,ブロックが7個→6個→5個の場面へと子どもたちは戻っていきました。多くの子どもたちが,ノートを使って,その場面を確認しています。ここもこの数日で鍛えている見方・考え方及び学び方です。

これらの既習から,「ブロック数が1ずつ増えると段数も1ずつ増える」というきまりを帰納的に語らせていきます。さらに,ペア説明でこれらのきまりを再現させます。

さて,子どもたちはブロック8個の段数が7段になることに対して自信を持っています。しかし,その真偽は実験をしないと確かめられません。

そこで,「どんなパターンがあるかな?」と子どもたちに尋ねます。最初に聞こえてきたのは,次の声です。

「赤1個と黄色7個」

1から順に並べようとする思考パターンが見えてきます。このブロックを並べた後,「次はどんなのを並べたいですか」と尋ねます。

「赤4個と黄色4個」

「それなら2個空けないとだめだよ」

「赤の下に2個分空ける」

「2と3の階段が入るから空けます」

子どもたちは,見えない部分の赤ブロックの並びパターンと階段の形状を意識しながら考えを進めているのです。これらも既習のブロックシリーズ学習をベースにして生まれてきたものです。着実に既習が活用されていることが見えてきました。

さて,ブロック8個でできる階段は,子どもたちの予想通りの7段になりました。授業前半の子どもたちの帰納的な見方・類推的な見方の有効性が確かめられました。

さらにここで,次の声があがります。

「明日は,9個で8段だ」

「その次は10個で9段だ」

「そのまた次は11個で10段になるよ」

ここでも類推的な見方が発揮され,次時以降の問いが子どもから生まれてきました。こちらの話題は,次回に取り組みます。

少しずつ,きまりを見つける視点やきまりを楽しむ姿が育ってきました。1年生の学びは素直でスピーディーです。