2024年6月17日月曜日

倍々にはならない?

次の問題を提示します。
「あすかさんは犬を飼っています。次のように成長の様子をメモしました」
その後,「生まれてから10日目−630g」「生まれてから30日目」までを提示します。すると子どもたちが動き出します。
「30日目は630×3になる」
「3倍になるね」
「そんなに大きくなる?」
「人間だったら,5歳の体重が10㎏なら10歳で20㎏。20歳で40㎏。40歳で80㎏・・・となるよ。そんなのあるかな?」
提示されたデータに比例関係を見出そうとした子どもたちですが,現実を考えるとそれはありえないことに気づいていきます。

そんな子どもたちに「生まれたときの体重は何㎏ですか」と尋ねます。この問いかけに対して,式がすぐに見える子どもが多くいました。一方,式に自信がない子どもは4ます関係表を使って確かめていました。そこで,4ます関係表を板書させます。そして,「4ます関係表の□はなんですか?」と尋ねます。
「生まれたときの体重」
「だから1倍」
「基準だから1倍」
基準量を意識した声が生まれてきました。4ます関係表は比例関係を前提にした問題解決のツールです。このツールを使いこなすために必要な見方が「基準」の意識です。その見方が,4ます関係表の□の意味を考えることを通して生まれてきました。
基準が見えることで,式も「630÷1.8」になることが見えてきます。

この見方を活用すれば,「生まれてから30日目の体重が840gで2.4倍になった」という情報でも生まれたときの体重を求めることができます。

30分ほどの授業でしたが,基準意識を明確した学習を進めることができました。