2024年6月7日金曜日

あまりが変!

次の問題を子どもたちに提示します。
「1.9mのテープを0.3mずつ切っていきます。0.3mのテープは何本できて,何mあまりますか」
式は1.9÷0.3とすぐに見えてきます。小数のままでは計算ができないので,19÷3として計算します。
計算の結果,答えは「6本できて1mあまる」となります。ところが,「違う」「おかしい」と声があがります。一方,その声の意味が理解できず,首をひねっている子どももいます。わりざんの答えは,整数値に直して計算してもそのままでいいと学習しているからです。
「違う」という子どもたちが説明します。
「確かめ算をしたら,0.3×6+1=2.8だから1.9にならない」
確かに1.9にはなりません。しかし,この説明では十分に納得ができない表情の子どももいます。説明が続きます。
「あまりが1mだとしたら,まだ0.3mはまだあるよ」
あまりの1mの中に0.3mがまだあるという説明で子どもたちも納得です。さらに声が続きます。
「だから,あまりはもどしているのだ算にするんだよ」
「あまりはもとの小数点にもどして0.1m」
「これならもう0.3mには分けられない」
「確かめ算をすると,0.3×6+0.1=1.9だから合ってる」
この説明で子どもたちも納得です。
しかし,まだ取り組んだ問題は1問です。そこで,「あまりだけもどしているだ算をするのは,この問題だけのたまたまじゃないの?」と投げかけます。この投げかけに2割ほどの子どもは「そうかもしれない」と考えました。
そこで「2.3mのテープを0.5mずつ切ります。何本できて何mあまりますか」の問題で実験します。結果は,この問題でもあまりだけは「もどしているのだ算」にすることが見えてきました。
解き方が本当に一般化できるのかどうかは,複数の問題で検証することが大切です。科学の世界ではこれが常識ですからね。