2024年6月21日金曜日

全く同じ形はどれ?

 「全く同じ形を見つけたら当たり」

このように子どもたちに投げかけます。すると,「簡単だよ」「でも,1㎝位違ったら」と声があがります。そこで「1㎝位違ったら」の言葉の意味を読解していきます。

「全て全部いっしょっていうことだよ」

「長さが同じということ」

「重さも同じ」

「『同じ形』の形を探すから,重さは関係ないよ」

「面積も同じ」

「角度も同じだな」

子どもたちは,「長さ」「面積」「角度」の3つの視点が同じであれば,全く同じ形と判断できると考えました。すると「結構難しいね」と声があがります。「簡単」という当初のイメージは飛んでいきました。さらに,「長さ・角・面積が分からないと比べられないね」と難しさの要因に着目した声があがります。ところが「それなら重ねて比べたらすぐ分かるよ」と声があがります。よい比べ方の視点が生まれてきました。

その後,青の三角形と全く同じ形をカードを裏返して探していきます。

1枚目のカードが引かれます。「うーん,違う?」「小さい」などの声が聞こえてきます。すると今度は,目元に定規を当てたり,2本指で間を測定したりしながら,2つの三角形の長さや角の大きさを目測する姿が見えてきました。目測ではありますが,長さと角度に視点を当てたよき調べ方です。子どもたちの目測では,赤の三角形の辺の長さ短く見えるなどの理由で同じではないと考える子どもが多数いました。

最後は,2つの図形を重ねて調べます。結果は,外れです。赤の方が辺の長さが小さいことが分かりました。

3枚目に引かれたのは,もとの三角形とは反対向きの図形でした。すると,この図形を引いた子どもが,カードを回転させます。この行動の意味を読解します。

「裏返しても同じ形なら,当たりでいいんだよ」

「だから,カードを裏返したんだよ」

「裏返した方が比べやすいね」

そこで,カードを裏返した状態で「全く同じ形」かを考えさせます。裏返すと,青の図形と同じに見えてきます。目測でも辺の長さ,角度が同じに見えました。最後に,2つの図形を重ねて調べます。結果は,ぴったり重なります。

その後も同様に当たりを見つけていきます。2枚の図形を重ねることで,長さ・角度・面積の3つの視点で全く同じ図形を見つけることができることが分かりました。このような図形を合同と言いますが,合同の見方をゲームを通して引き出した1時間でした。