2024年6月8日土曜日

比例はあるかな?

今日はオープンスクールでした。お受験予定の保護者方が参観に来られる授業公開です。
子どもたちに「比例はあるかな」と言って,1つの正六角形を提示します。これを見ただけで,子どもたちの話がスタートします。
「まだないよ」
「比例は2つはいるよ」
「3ついるよ。だって,もし最初が5で2番目が10だとしたら,+5なのか×2なのか変化が分からない」
「3番目が15なら比例だけれど,20なら比例にはならない。だから3つは知りたい」
比例と判断するための最小情報量の議論が進められました。既習と自然につながったよい意見でした。
次の変化を提示します。1つ目の六角形の周りを囲むように六角形を6個並べていきます。子どもたちは,「辺の数」「面の数」と考えますが,いずれも比例はしていません。比例はないのでしょうか・・・。
しばらくすると「ありました」と声がします。「くっついている所以外のかどっこ」と,その場所を示す声がします。これで「あー,本当だ」「えっ?」と両方の声があがります。さらにしばらくして「出っ張っているところ」と声があがります。この声で,一気にこの言葉の意味が共通理解できました。飛び出している頂点の個数を言っているのです。
出っ張っている頂点は12個です。最初は6個です。2倍の関係です。
しかし,これだけではまだ比例とは決められません。そこで,3周目で実験します。子どもたちはノートにパターンブロックの六角形をなぞって3周目を作図します。しかし,ノートに入りきらない子どもが多数いました。「描けません」「はみ出します」と声があがります。作図の限界です。だからこそ,比例の考えを活用するよさもあるのですけどね。
さて,完成したホワイトボードの図形確認します。出っ張っている頂点数は18個でした。1周目の6個から3倍になっています。これなら比例と断定できそうです。
比例関係が確定できれば,4周目も作図をしなくても計算で求められます。6×4で24個だということがわかります。

参観された保護者の方からは,「私も子どもの頃にこんな楽しい算数授業を受けたかった」とお褒めの言葉をいただきました。子どもの思考が連続していった1時間でした。