2024年5月11日土曜日

1を見い出す!

子どもたちに「六角形をつないでいくと・・・」と投げかけ,六角形が3つつながった形を提示します。子どもたちは,同じ形を配布したパターンブロックをなぞってノートに同じ形を作図していきます。

作図を終えたある子どもが,図の周辺部を指でなぞる姿が見えました。それと当時に「12」という声が聞こえてきました。そこで,この声の意味を共有していきます。

「周りが12本ある」

「それって5月9日と同じだ。階段も四角が増えて比例した」

前時の学習の比例の見方が生まれてきました。しかし,「まだ次がどうつながるか分からないと決められない」という声も聞こえてきました。

そこで,六角形を追加します。先ほどの図形の右側に3つの六角形を縦に並べます。子どもたちは,周りの長さを数えます。「18本」になることが分かります。それと同時に「6本増えた」「比例」という声も聞こえてきます。

子どもたちの中には「次も6本ずつ増えていく」「だから比例だ」と考える子どもたちがいました。一方,「本当に比例なの?」とその関係性を十分に納得できていない子どももいました。さらに,「もっと次を見ないと分からない」という早急な一般化を疑う声も聞こえてきました。この視点でのアプローチも大切ですね。

その後,六角形をもう1列増やします。周りの辺は「24本」になりました。ここで「きまりがある」「6本ずつ増えている」「比例になっている」と声があがります。ここで比例の意味を再確認します。「片方が2倍・3倍になったら,もう片方も2倍・3倍になる」という関係です。しかし,最初の周りの本数「12本」をもとにすると2倍・3倍の関係は見えません。そのために,「比例なの?」と疑っている子どもたちも何人もいました。

そんなとき,「最初の1個を動かす」という声が聞こえてきました。左端の1個の六角形を切り離すと,その本数が6本であることが見えてきます。「これをもとにしたら,2倍・3倍になる」とそれまで見えなかった比例関係が見えてきます。見えなかった基準量になる1を見出す姿が生まれてきました。この基準量が見えると,比例関係もすぐに見えてきます。

基準量を見出す姿を引き出すことを目的にした比例の授業でした。