2024年5月21日火曜日

「筆算いらない」「なんで?」

次の問題を提示します。
「1mの重さが0.8㎏のうまいんだ棒があります。同じ種類の長さの違ううまいんだ棒が4つあります。次の式は,それぞれのうまいんだ棒の重さを求める式です。0.8㎏より軽いのはどれですか」
式を4つ提示します。
0.8×0.9 0.8×3.7 0.8×1.4 0.8×0.08
式を見つめた子どもたちから,声があがってきます。
「筆算はいらないね」
「なんで?」
「暗算もいらないよ」
「なんで?」
筆算(計算)が必要なのかを巡って,子どもの考えにズレが生まれました。子どもたちが説明します。
「0.8×3.7は,1よりも大きい数をかける。だから答えは0.8よりも大きくなる」
答えが大きくなる説明は,イメージしやすいようです。ところが,1よりも小さい数をかけるイメージが,言葉だけではうまく伝わりません。そんなとき,「図にしたら分かる」と声があがります。
板書のような図を描き,1mの位置や0.9mの位置を確認します。線分図の中に,1mや0.9mが位置付くことで,各長さの時の重さの大小関係が見えやすくなりました。図に置き換える発想が,それまで曖昧だった世界をすっきりとさせてくれました。