2024年5月27日月曜日

交換・分配法則を図で説明する

子どもたちに,次のように投げかけます。
「縦3.6m,横2.4mの畑の面積は何㎡ですか」
問題自体は簡単です。子どもたちは,3.6×2.4=8.64(㎡)と計算で答えを求めます。
2問目を提示します。「2.4×」まで板書をすると「小数」「答え同じ?」「3.6なら答え同じ」と声があがります。かける数を子どもたちが作り出してきました。かける数が3.6なら答えは同じになるという声が生まれてきました。さらに子どもたちは,答えが同じになる理由を説明してきます。
「3.6と2.4が反対になっただけだから同じ」
「さっきの面積と同じだよ。②を縦2.4m横3.6mと考えたら同じだよ」
「回転しただけで,同じだよ」
①の問題では,意図的に図を提示していません。ところが②の問題で,①と②の図は回転しただけで同じになることを自分たちで作図を行い説明してきました。抽象的な式を具体的な図に置き換えることで,答えが同じになることが一目瞭然になりました。別の形で表すよさを実感できました。

すると,この結果を受けてさらに声があがります。
「それなら体積も同じじゃない」
「縦×横×高さでも同じだよ」
「今の畑の面積が高さ2mなら,2.4×3.6×2になる」
「3.6×2.4×2でも同じだ」
「2.4×2×3.6でも同じだね」
「2×2.4×3.6でも同じ」
「数字が入れ替わっても,見る向きが違うだけで同じ」
面積での説明場面が,体積場面に置き換わっても同じように考えることができるという見方が生まれてきました。3つの式も,見取り図を使うことで式の順序を入れ替えても答えが変わらない理由が一目瞭然になりました。

4問目を提示します。「1×3+0.4×3」の式です。「+があるから難しい」と声があがります。ところがこの声を受けて,「図に書けば簡単」と声があがります。
「1×3は縦1㎝横3㎝の図。0.4×3は縦0.4㎝横3㎝の図。どちらも横は3㎝だから,くっつけると長方形になる。この縦は1+0.4で1.4㎝。横は3㎝で同じだから,式は1.4×3にできる」
「式が短くなった」
小数のかけ算の分配法則も,図を使うことで小数にも活用できることが見えてきました。