子どもたちに「答えはいくつになるかな?」と投げかけます。
1問目は,914×83です。筆算で多くの子は計算しました。答えは75862です。
2問面を提示します。91.4×8.3の式です。この式を見た子どもから,次のような声があがります。
「筆算はいらない」
「前に小数点をつけただけだよ」
子どもたちは,計算しなくても答えが分かると考えています。しかし,この声はまだクラス全体には共有されていません。そこで,この言葉の意味を共有していきいます。
「91.4は914を10でわった」
「8.3は83を10でわった」
「だから,答えは10×10で100でわる」
「答えは小数点が3個左に動いて75.862」
子どもたちは,数字が同じであれば筆算を改めて行う必要はないと考えました。小数の計算を整数の計算に直して計算したときの考え方と「同じ」だとする見方が生まれてきたのです。
この見方を使えば,同じ数字の並びであれば,どんな計算も答えを求めることができます。
その後も同じ数字の並びの問題に取り組んでいきました。授業終盤には,次の声が生まれてきました。
「同じ考えを使えば,他の数の計算でも使える」
「0.914×83を半分にして,0.457÷41.5も計算できるね」
「÷2と÷2をしているから,答えも÷2だね」
「違うよ。÷2÷2だから÷4だね」
10倍,100倍などと同じように計算のきまりを活用したら,変身していく計算が10の倍数でなくても答えを見つけられるという声です。よき見方が生まれてきました。