2024年10月19日土曜日

どこの長さを測る?

前回のゼリーの型枠作りの続きです。子どもたちは平行四辺形をいちいち等積変形しなくても,高さ部分の長さを測定すれば簡単に面積を求められると考えました。
そこで,この考え方が一般化できるのを次のように問いました。
「引越し作戦を使わないなら,どこの長さを調べたらいいの?」
最初に,前回よりも傾斜の大きい平行四辺形を話題にします。子どもたちは、長方形の縦の長さに該当する部分に線を引いていきました。
そこで,「この長さって適当に引いたの?」と尋ねます。すると「だいたい」となぜか頷く子どもの姿も見えます。一方「だいたいじゃないよ」「垂直」「90°」というそれに反論する声が聞こえてきます。しかし,「なんで90°」というさらなる声も聞こえてきます。

ここで子どもたちの声を,次のようにまとめてみます。
「どうして90°で線を引かないといけないの?だいたいでもいいんじゃないの?」
改めて問われると,うまく説明ができない子どもたちもいました。
「長方形にならない」
「斜めに切った三角を左に引っ越すと,長方形にならない」
「また平行四辺形になる」

子どもたちの声で,長方形を作り出すためには90°に縦に線を引く必要があることが見えてきました。

その後,前時に子どもたちが作った平行四辺形のゼリー枠のどこに線を引けばいいのかを考えていきました。底辺への垂線が斜辺の途中で途切れてしまう③の図形では,多くの子どもたちの手が止まりました。斜辺を超えて垂線を伸ばすという発想が子どもにはないからです。

すると,「回してもいいですか?」と声がします。回転すればうまく垂線を上下の底辺の間に引くことができます。

では,回転しないと垂線を見つけることはできないのでしょうか。垂線が斜辺にぶつかった状態で引っ越し作戦を行うと,中途半端な六角形になってしまいます。やはり,うまくいかのでしょうか? するとある子どもが,大発見をしました。
「左端の小さな三角形を右に引っ越すと(隙間が埋まって)長方形ができる」
「あー,本当だ!すごい!」

小さな三角形を引っ越しして完成した長方形を見ると,斜辺で止まっていた垂線が下の底辺迄伸びていることが分かります。この事実から,底辺部分を延長した部分まで垂線を延長していけばよいことが見えてきました。

これで,子どもたちが作った平行四辺形のゼリーの型枠の面積は全て求められることが分かりました。
「意味がない」