2024年10月4日金曜日

偶数・奇数の秘密

「1,2,3,4,5の全ての整数の間に,+−の記号を入れて式を作ろう」と投げかけます。

最初に「一番答えが大きくなる式を作ろう」と尋ねます。問題文の意味を正しく理解できているのかを確認するためです。

答えが最大になる式は,「1+2+3+4+5=15」となります。従って,5つの数字で作られる答えは最大15までということになります。そこで15未満の答えになる式を作らせることにしました。この時点では,1〜15までのすべての答えを作ることができると考える子どもと,作ることができないと考える子どもがほぼ半々でした。

子どもたちが計算を進めます。しばらくすると,「奇数しかできない」という声が聞こえてきました。できた式を板書させ,答えを確認します。

完成したのは,1,3,5,7,9,11,13の奇数のみです。この結果を見た子どもから,声が聞こえてきます。

「オンライン授業に似ているよ」

「№56で勉強した偶数+奇数=奇数,偶数+偶数=偶数,奇数+奇数=偶数と同じだ」

「例えば3+4−5+2+1=5なら,最初の奇数(3)+偶数(4)で奇数(7)になる。この奇数(7)−奇数(5)で偶数(2)。次の偶数(2)+偶数(2)で偶数(4)。次は偶数(4)+奇数(1)だから奇数(5)の答えになる」

「ブロックでも説明できます。奇数は飛び出した形。偶数は飛び出さない形。1,3,5と奇数が3個だから,飛び出したブロックを3個合わせると,1個飛び出すから奇数になる」

子どもたちは,臨時休校でオンライン授業を行った際の学習内容を想起して,答えが奇数しか生まれない理由を説明してきました。

この理由から,子どもたちは「奇数が2個なら偶数の答えができる」と考えます。飛び出すブロックが2個なので,合わせたら飛び出し部分は消えるからです。

そこで,1,2,3,4で実験を行います。結果は,0,2,4,6,8,10の偶数のみの答えが完成しました。一方,飛び出しがないので奇数の声が生まれてきません。

最後に次の声が生まれてきました。

「奇数の数字が奇数個分あれば,答えは奇数しかできない。奇数の数字が偶数個分あれば,答えは偶数しかできない」

1時間の学びを見事に集約した言葉でした。