「カードを動かします。どれを動かしたか当てましょう」
このように投げかけ,アルファベットを順に提示していきます。Y,Cが提示された時点で,「全部線対称だ」と声があがります。それと同時に,対称の軸をジェスチャーで示す動きも見えてきました。Yは縦方向,Cは横方向の対称の軸を示す動きが生まれてきました。
その後も同様に,全部で9文字を提示します。
子どもたちに目を閉じさせ,その間に文字を動かします。
目を開けた子どもたちは,一斉に「A」と声をあげます。Aの向きが反対に変わっていたのに気づきました。さらに「180°動いた」と,具体的な角度を使った説明も生まれてきました。
すると,「Hも変わってる」の声が聞こえてきました。そこで,Hを話題の中心にします。
「Hが変わっているという人がいるけど,気持ちは分かる?」
このように尋ねます。
「回しても同じになる」
「2本の対角線の交わっているところで回転すると,重なる」
「平行が2本あれば,回転しても重なる」
「Nも回転すると重なるけど,平行は1本しかないよ」
「回転する中心から端までの長さが同じなら重なるんじゃないかな」
「それならEだって同じ長さになるよ」
「中心の反対側に線があるときは重なる」
「Eの左の縦線の反対には縦線がないから,これはだめだよ」
子どもたちは,180°回転して重なる図形の共通点を探ろうと考えました。その結果が,上記のようなまとめでした。
その後,「他にも回転すると重なるアルファベットはあるかな?」と尋ねます。
「IもOもそうだ」
「これもお向かいがあるね」
「Z,Sもそうだね」
「でも,Sってお向かいさんはあるの?」
「曲がっているけど,あるよ」
「え?それってお向かいさん」
辺がカーブする文字が出てきたことで,子どもたちがまとめかけたきまりが揺れ始めました。この日はここで時間切れとなりました。
点対称につながる図形の構成要素がたくさん生まれてきた1時間でした。この授業の詳細は,授業テラス講座でお知らせする予定です。