2025年10月7日火曜日

ジャンケンが強いのは?

 「1組・2組でじゃんけんの強さを比べよう」

このように投げかけます。隣同士で,ジャンケンを合計20回行います。勝った回数を数えます。その結果を,1組・2組で比べていきます。

20回のジャンケンが終わった後, 何回勝ったのかを聞いていきます。それを表に整理します。結果を見た子どもから,声があがります。

「線対称になっている」

「例えば,片方が8勝なら相手は12勝になるから,8勝と12勝の人数は同じになる」

「だから平均は両クラスとも同じになる」

「だったらドットプロットで比べたらいい」

そこで,ドットプロットに2組のデータを表します。その結果,8勝~12勝にデータが集中していることが見えてきました。

次に1組のデータを提示します。ドットプロットにすると,1組の最頻値が10回の6人であることが一目瞭然となりました。さらにその後,いろいろな声が生まれてきます。

「1組の最頻値が10回で6人もいるから,引き分けが多いということだ」

「2組は相子は少ないね」

「11回以上勝った人数が,2組は13人で1組は12人だから,2組が強いよ」

「でも反対に見たら,9回以下で負けた人数は,2組が13人で1組が12人だから1組が強いんじゃないかな」

なんとか2組を勝たせる視点が生まれてきました。



2025年10月6日月曜日

アンケート項目を決めて!

「データの活用」単元も学習が進んできました。今回は,アンケート項目を自分決めてクラスメイトに取材を行い,その結果を柱状グラフにまとめる学習に取り組みました。

アンケートの条件は,「答えが数字で答えられる」「ある程度の散らばりがある質問」です。

子どもが考えたアンケート項目は,実にバラエティーに富んでいました。


・集中できる勉強時間

・宿題にかかる時間

・鼻の高さ

・睡眠時間

・消しゴムの身長

・家でご飯を食べ終わる時間

・小指の長さ

・1週間で鉄道を利用する時間

・ポテチを食べるのにかかる時間

・何ページ位の本を読むか

・名前の漢字の画数

・1日のゲーム時間

・通学時間

・身長 など・・・

 

 これらを取材後,下のような柱状グラフへとまとめていきました。自分が考えたアンケートなので,どの子どもたちも生き生きと学習していました。




2025年10月4日土曜日

答えが同じ?

 分数を使った計算に取り組みました。式の中の分母の差が分子になると,答えが同じになることを見つけていく授業です。

授業後半は,子どもたちが気づいたきまりを使って自分で式探しをしていきました。分母の差が「8809004」違いの計算にチャレンジした子どももいました。




2025年10月2日木曜日

身近な素材が大切!

 データの活用で取り扱うデータは,子どもの身近なものであることが大切です。子どもにとって,親近感のあるデータだからです。
クラスの半年間の本の貸し出し冊数を,度数分布表から柱状グラフへと表現しました。その中から,次の気づきが生まれます。
「一瞬でどこが多いのかが分かる」
「100を超えると少なくなる」
「一目で0〜20冊未満の人が多いのが分かる」

柱状グラフのよさが子どもから生まれて来ました。クラスのデータが「0〜60冊に集まっている」という悲しい事実も見えてきました。すると,子どもたちは隣のクラスのデータも気になります。隣のクラスより自分のクラスの方がたくさん本を借りているはずだと思っているんですねえ・・・。このような思いを引き出せることが大切ですね。

その後,隣のクラスのデータをまとめていきます。子どもたちは意欲満々で,隣のクラスのデータ発表を聞いていきました。結果は,ダントツに差をつけれられてしまいましたが・・・。


 

2025年9月29日月曜日

「ふうーん!」

 「今の女子の50m走の記録を表にまとめられるかな?」

このように尋ねます。子どもからは,次の声があがります。

「なんの表?」

「表だったら,前に配られているよ」

「でもさあ,表って同じ数でまとめられているよ」

「でも,前の表はバラバラだよ」

「8.5秒は2人いる。いつもの表ならまとめて書いている」

「前のは速さがバラバラ。普通は速い順になっている」

子どもたちが,既習の表と前時で使った表との違いを指摘してきました。そこで,今まで使ってきた表に,50m走のデータをまとめ直します。

この活動中に聞こえてきたのが「ふうーん!」という声です。この声の意味を読解します。

「面倒だということ」

「人数多くてまとめるの大変」

「小数点のある数が多い」

などの声が聞こえてきました。項目数が多すぎるという声です。そこで,データ数を0.5秒ずつまとめる表があることを教えます。度数分布表です。この表が仕上がると,

「8行しかない」

「簡単だ」

と声が上がります。既習の表と度数分布表の両方を体験することで,後者の表のよさを実感することができました。


2025年9月26日金曜日

女子の体力も低下している?

 「今と昔の女子の50m走るの記録を比べてみよう」

このように投げかけます。前日は男子を比べました。平均では昔が速かったのですが,最速値など別の視点だと今が速いことが見えてきました。

女子のデータを順に提示していきます。カードが貼られるたびに,「あー」「やったー」「やばい」などの声が聞こえてきまます。これらの声があげながらも,子どもたちはデータを分析していきます。

「速いねえ」

「8秒台が多いよ」

「8秒後半が多いんじゃない」

「7秒台もいるよ」

ここまでが今の子どもたちのカードを見た際に生まれてきた声です。

次に,15年前(昔)のデータを提示します。ここでも様々な声が聞こえてきます。

「9秒台だ。よしよし」

「次の11秒台だ。やったー」

「8秒前半が来たー」

「でも,9〜10秒が多いよ」

「今の方が勝ったかなあ」

「平均見ないとわからないよ」

「今は8秒前半が多いから勝ったんじゃない」

「昨日やったドットプロットを使えば,8秒前半が多いか分かるよ」

ドットプロットを使うアイディアが,自然に子どもから生まれてきました。そこで,ドットプロットにそれぞれのデータを位置付けていきます。

作図を終えた子どもからは,次の声が聞こえてきました。

「今は8秒台が多いね」

「昔も8秒台から9秒台が多いよ」

「でも,遅い11秒台を見ると昔の方が多いね」

「今は11秒台は1人でタイムも速い」

「最速も今の方が速いね」

「さっきの集まっているところだけど,よく見ると今は8秒台の前半が多くて,昔は8秒台後半から9秒台が多いから,今の方が速いね」

ドットプロットを見ることで,データを分析的に見る視点が生まれてきました。ドットプロット学習を重ねることで,データの見方もブラッシュアップしてきました。


2025年9月25日木曜日

体力低下は本当ですか?

「今の子どもは昔の子どもよりも体力が落ちていると言われているけど,本当ですか?」
このように尋ねます。
「昔は外で遊んだから,昔の方が体力がある」
「今の方がお母さんに外に出ろと言われるから,今の方が体力がある」

様々な予想が生まれます。
予想にズレが生まれます。そこで,50m走の実際のデータで比べます。今の子ども,15年前の子どもの順に,50m走のデータを提示します。途中から,子どもたちはいろいろなことに気づきはじめます。

「今は7秒台がいるけど,昔はいない」
「昔は遅い人があまりいない」
「人数が今と昔は違う」
「だったら平均で比べたらいい」

今は8人,15年前は15人です。人数が違うため,平均で比べようと考えたのです。計算の結果,今は9.1875秒,昔は8.9秒です。結果は,昔が速いということになります。この結果に残念そうな子どもたちです。「仕方ないかあ・・・」という表情の子どもがいました。
そこで,「では今の子どもの体力が低いということでいいですね?」と投げかけます。すると「でも」という声が聞こえてきました。

「でも,一番速いのは今で7.5秒,昔は8秒だから今が速いよ」
「一番遅い記録も,今は11秒で,昔は11.2秒。だから,今が速いよ」
「でもさあ,8秒台の人を見ると,今は8人で少なくて,昔は15人で多い」

データを見つめる様々な視点が生まれてきました。視点を変えたら,今の子どもが速いと判断することもできます。

さて,それぞれのデータは当初はバラバラに貼っていました。その状況から,「カードを並べた方が分かりやすい」と声があがります。

子どもたちはカードをどんな風に並べようと思っていたのでしょうか。多くの子どもは,速い順にカードを積み上げることを考えました。しかし,それでけではすぐに「8秒台が15人で多い」ということを読み取ることが難しいことが見えてきました。

すると,両手を平行に動かした後,その上に手をさらに左右に動かすジェスチャーをする子どもの姿が見えました。このジェスチャーの意味を読解します。

「定規の目盛りみたいに,線を入れていってその上に印をつける」

数字の並びを横向きにして,そこに同じ秒数を分類していくイメージです。これがドットプロットの原型になりました。この原型で,ノートに作図をしてみます。

横向きの図を見た子どもからは,次の声があがります。
「さっきよりも分かりやすい」
「昔は8〜9秒に集まっている」
「今のは9〜10秒に集まっている」

データの○印の散らばり具合いに違いがあることも見えてきました。

定規の目盛りをヒントに,新たなデータの表現方法が生まれてきた1時間でした。



 

2025年9月24日水曜日

展開図があると分かりやすい!

「立体の表面積を求めよう」
子どもたちに投げかけます。(本校独自の教育課程です)
最初に求めたのは,三角柱です。この問題に取り組んでいる時,展開図をノートに作図する子どもが何にかいました。
「展開図があると考えやすい」
「面積を求めやすい」
このような考えから,展開図を作図したのです。そこで,その後も展開図あると考えやすいのかを実験していきました。
これは錐体になっても同様の考えやすさを子どもたちは実感していました。


 

2025年9月23日火曜日

隙間に何個入る?


「底面が合同で高さが等しい四角柱と四角錐,体積はどれだけ違う?」

子どもたちに投げかけます。錐体の体積は中学数学内容ですが,本校では初等部の教育課程に入っています。

子どもの予想は,「2倍」「1.5倍」「3倍」と分裂します。一つ分の四角錐を四角柱に入れた隙間に,あと何個分の四角錐が入るのかで,子どもたちの予想が分かれました。多くは,あと1つ分入るから2倍の関係という声でした。

一方,隙間をもっと小さく分割していくと,2個分くらい入りそうという声もあがります。空間図形をイメージ化するのは,小学生にはなかなか難しいようです。

その後は,色水を使って実験です。結果は,3倍の関係になります。子どもたちからは驚きの声があがります。多くの子の予想とのズレでした。

愉しい算数授業をつくる研修会開催

 9月27日(土)に大阪府池田市立池田小学校を会場に「愉しい算数授業をつくる研修会」が開催されます。

私は2講座担当します。前半は学級経営の話をします。後半は算数授業創りの話をします。

また,若手の先生からの授業ビデオ提案もあります。こちらも楽しみですね。

お申し込みは以下からお願いします。

https://www.kokuchpro.com/event/12612f0aa53052ecc6ea5ce226780655/









2025年9月19日金曜日

体積いろいろ

 いろいろな形の体積を求めました。富士山型,3段の階段,バームクーヘン型などを求めました。

3段の階段は,様々な求め方がありました。そこで前回同様,式から求め方の図を類推する学習方法で展開していきました。



2025年9月18日木曜日

体積の求め方を読解しよう!

 階段状の立体の体積を求めました。たくさんの求め方が生まれてきました。そこで,式だけを板書してもらい,どのように図形に加えたのかを考えました。式から図を読解していく学習す。この場面は,国語の能力がかなり入ります。

全部で6通りの求め方が生まれてきました。子どものアイディアは柔軟ですね!


2025年9月16日火曜日

体積が大きいのは?

「辺の長さの合計が同じ立体,体積が大きいのはどれでしょう」
この発問だけで,子どもの考えにはズレが生まれます。
「底面が小さくなると,その分高さが高くなるから同じ?」
「三角形は最後に÷2をするから,体積も小さくなる」
「直方体の向きを変えると,高さは全部4㎝。だから体積も同じ?」

さて,考えは分裂したままです。そこで,実際の計算をしていきます。直方体は既習です。式は,「4×2×3=24」となります。ここで,「4×2」の式の意味を尋ねます。
一斉に聞こえてきたのは「底面積」の声です。しかし,「えっ?」という声も聞こえます。その意味は「面積を重ねても平らじゃないかな?」という意味です。

4×2×1が体積の底面積部分の体積になります。高さ1㎝の立方体を並べた体積の数を求めてから、その高さ分だけ掛け算していきます。

このやり方を使えば、三角柱やひし形柱も体積を求めることができます。体積の意味を考えながら1時間進めていきました。

 

2025年9月14日日曜日

熱い先生と学びました!

 昨日は和歌山県田辺市の先生方との研修会に参加しました。3連休初日にも関わらず,多くの先生方が参加されました。

田辺の先生方は,学び方もとても熱心でした。板書写真をもとに語り合う講座では,多くの先生方が自分の意見や思いを語っていました。授業改革にかける熱い思いのある先生方が多くいる田辺市の未来は明るいですね!

田辺氏は弁慶生誕の地と言われているそうです。先生方の熱さは,弁慶のDNAを受け継いでいるのかもしれませんね。



2025年9月13日土曜日

和歌山県田辺市で会いましょう!

 今日は和歌山県田辺市の若手の先生方が企画する研修会に参加します。

田辺市の先生方ややる気満々の方がたくさんいらっしゃいます。やる気のある方々とご一緒すると,こちらまでパワーをもらえますね。今から楽しみです!

2025年9月12日金曜日

世界遺産のある島の面積


 「世界遺産のある島の面積を求めよう」

子どもたちに投げかけます。子どもからは。「佐渡」「屋久島」「奄美大島」「沖縄本島」「父島」と世界遺産のある島の名前があがります。

そこで「屋久島の面積を求めよう」と投げかけ,地図と提示します。地図を見た子どもからは、次の声があがります。

「ほぼ丸」

「どうやって面積出すの?」

「だいたいでいいんじゃない?」

「約でいいよ」

屋久島を子どもたちが求積できるだいたいの図形に置き換えて、面積を求めようというアイディアです。そこで、「どんな形にしようと考えているの?」と尋ねます。

「円でいいんじゃない?」

「台形と三角形でもできるよ」

「菱形でもいいよ」

その後、子どもたちが面積を求めていきます。様々な図形に分割し面積を求めました。縮尺がかなり幅のある数字設定でしたが、実際の面積504.9㎢に近い数値で計算で求められた子どももいました。

その後、奄美大島、父島と順に面積を求めていきました。時間があれば、地図帳から島を選択させて面積と求めようと考えていましたが、時間切れでした。ここまでできると個別最適な授業にもなりますね。

2025年9月4日木曜日

ケーキを食べる

 次の問題を提示します。

「たかし君はケーキが大好きです。たくさん食べたいたかし君は,3種類のケーキのどれを選ぶか迷っています」

板書にあるような3種類のケーキの箱を提示します。すると,子どもの声がつながります。

「たくさんってどういうこと?」

「『たくさん食べたい』と書いてあるから,ケーキの大きさのことでしょ」

「それなら①が大きい」

「同じじゃない?」

「③が大きいよ」

「隙間で考えたら,③は隙間の数が多いからケーキの面積も小さくなる」

「①の隙間は大きくて,③の隙間は小さい」

「③は真ん中の方にも隙間がある」

隙間の視点が生まれてきました。子どもの予想にはズレが生まれました。そこで,計算で面積を求めます。

結果は,いずれも282.6㎠で等しくなりました。たかし君はどのケーキを選んでも,たくさん食べられるのです。この結果から,「箱の大きさが同じなら,同じ面積になる」という事実が見えてきます。

すると,次の声があがります。

「でも,こんな形のケーキになっても面積は同じになるの?」

正方形の1本の対角線上に最大値になる円を2個入れるという考えです。このように作図を行うと,それ以上は同じサイズの円は入る余地はなさそうです。果たして,この場合もケーキの面積は等しくなるのでしょうか?

実際に作図を行い,確かめます。ところが,対角線上に正方形に内接する最大値になる円を作図するのに,かなりの苦労をしました。最終的に半径1.7㎝に円がぴったりと入りそうだということが見えてきました。

この長さで面積を求めると,結果は18.1492㎠となります。先ほどよりも小さくなりました。この事実から,縦横の個数が2乗できる場合のケーキの詰め方の時のみ,面積が等しくなることが見えてきました。



2025年9月1日月曜日

円の面積を求める!

 「円の面積は正十六角形よりも本当に大きいのでしょうか」

前回の続きです。周りの辺の長さ32㎝の図形の面積を考えていました。

まずは,正十六角形の面積を確認します。

(32÷16)×5÷2×16=80(㎠)

すると「16は意味がない」と声があがります。「÷16」と「×16」で相殺するので,この部分の式が省略できるという声です。すると,先ほどの式は次のように変身できます。

32×5÷2

さらに,この式を言葉の式に置き換えると,次のように変わります。

周りの長さ×高さ÷2

この式を見た子どもから,「短縮した」「すっきりした」と声があがります。

次は,円の面積です。「カットして求めたらいい」と声があがります。円の内部をピザのように分割していくアイディアです。このアイディアを巡って声が続きます。

「底辺部分が少しカーブしている」

「小さくしたら,ほぼ直線だよ」

この両者の議論がしばらく続きます。すると「だったら,あれが使える」という声があがります。何かに気づいたのです。「あれ」とはなんでしょうか。

「あれ」とは,先ほどの「周りの長さ×高さ÷2」の言葉の式です。ここに円の条件を当てはめるという考です。「周りの長さ」は「円周」,「高さ」は「半径」に置き換えられます。すると,32×5.1÷2=81.6(㎠)と計算でも求められます。計算上は円の面積が大きいことが見えてきました。

円の求積の場合,先ほどの言葉の式は次のように置き換えられます。

①円周×半径÷2

すると「短くなった」と声が上がります。しかし,「円周って直径×3.14」の声もあがります。この声から式を変形していくと,次のようになります。

直径×3.14×半径÷2=②半径×半径×3.14

シンプルな①②の式で,計算上は面積が求められそうです。しかし,「やっぱり確かめないと分からない」と声が上がります。そこで,円をピザ状に分割して並べ替えることにしました。

結果は,平行四辺形に変身することができました。言葉の式に置き換えると次のようになります。

円周の半分×半径=直径×3.14÷2×半径=半径×半径×3.14

図の並び替えからも,先ほどの同じ式が見えてきました。





2025年8月31日日曜日

和歌山で会いましょう!

 暑い8月終わります。9月は和歌山県田辺市の研修会に参加します。田辺市は若手の先生方を中心に質の高い研修を進められています。きっと今回もよい研修会になること間違いなしです。詳細・お申し込みは以下のチラシからどうぞ!



2025年8月29日金曜日

周りの辺の長さが32㎝の図形

 次のように投げかけます。

「周りの辺の長さが32㎝の正三角形と正方形,面積が大きいのはどっち?」

正方形が大きいと考える子どもが多くいました。彼らは,次のように考えていました。

「三角形は最後に÷2をするから,一気に小さくなる」

「辺が4本だと大きいかも」

一方,正三角形が大きくなると考える子どもは,次のように考えました。

「1本の辺の長さは正方形よりも大きいから」

さらに「周りの長さが同じだから,面積も同じ」と考える子どももいました。いずれも納得できる理由です。

そこで,実際の面積を計算します。

正方形は,簡単です。「32÷4=8 8×8=64(㎠)」と計算できます。一方,正三角形は高さが分かりません。そこで,高さの情報9.3㎝は提示します。計算すると「32÷3=10.666≒10.7 10.7×9.3÷2=49.755(㎠)」となります。つまり,正方形の方が面積が大きいことが分かります。

すると,この結果から「辺の数が大きい方が面積が大きくなるのではないか」という予想が生まれてきます。きまりへの予感です。ほとんどの子どもたちは,この予想通りになると考えました。

そこで,正五角形,正十六角形と順に面積を求めます。子どもたちは中心を頂点とする二等辺三角形の面積を求めて,それを辺の数だけ倍をする方法で面積を求めました。

結果は,辺の数が大きくなるほど,面積が増えていくことが確かめられました。

すると,「円が一番大きい?」と声があがります。多くの子は,「円が最大」と考えます。一方,「円には辺がないよ」「曲がっているから,きまりは当てはまらないかも」「とんがっているところが,円にはないから違うかも」と考える子どももいます。図形の構成要素の要件が,それまでの正多角形と円では明らかに異なります。そこが違和感の原因となっているのです。

子どもの円の面積の予想は分裂したままで時間切れとなります。これで円の面積を求める必然性が生まれてきました。実際の面積は次回求めます!




2025年8月27日水曜日

GAKUTO算数セミナーIN大阪開催のお知らせ

 GAKUTO算数セミナーIN大阪が開催されます。算数教科書を活用した授業づくりについて,私の師匠・田中博史先生や同志の久保田先生・樋口先生・直海先生とともにお送りします。

是非,お越しください。

日時 11月8日(土)10:55~17:15

会場 大和大学(大阪府吹田市片山町2-5-1)

お申し込みは8月29日(金)17時より始まります。以下のアドレスから,お申し込みください。

https://gakuto-sansu-seminar2025osaka.peatix.com/




2025年8月22日金曜日

尼崎市教育センター講座訪問

 今日は,尼崎市教育センター主催の算数講座に参加しました。なんと100名を超える先生方が参集されていました。熱心な先生が多いですね。

時計の文字盤を線で結ぶ問題では,その結び方に個性や地域性が見えてきました。もしかするとそこに学力との相関関係があるのかも・・・と思ってしまいました。

但馬算数研究会に参加しました

 昨日は,兵庫県但馬地区で開催された算数研究会に参加しました。地元の先生方の模擬授業提案やワークショップなどが行われました。熱心に算数授業に取り組む先生方の姿がすばらしかったです。

夜は城崎温泉で算数談義を遅くまで語り合いました。夏の暑さに負けない算数談義が熱く展開されました。

今日は,兵庫県尼崎市の算数講座に参加します!

2025年8月21日木曜日

和歌山市を訪問!

 昨日は和歌山市教育委員会主催の算数講座に参加しました。南海電鉄で和歌山市へ移動しました。途中に「尾崎」という駅があってびっくりでした!

お盆明けでしたが,和歌山の先生方は熱心に学んでくださいました。和歌山市は8月25日(月)から学校が再開するそうです。愉しい授業を子どもたちに届けてくださいね!

2025年8月15日金曜日

同志の仲間の絆の温かさ

 8月4~5日に筑波大学附属小学校を会場に全国算数授業研究大会が開催されました。以下の写真はこの会に所属する同志の仲間です。北は北海道から南は沖縄までの仲間が毎年,夏になると筑波に集い,大好きな算数について熱く語り合います。

この同志の絆の温かさを実感したのが,今回,鹿児島県霧島市で洪水になり鹿児島空港へも鹿児島中央駅にも行けなくなってしまった際でした。宮崎の幹事の先生から,宮崎方面に向かう国道は通れるという情報をいただき,無事,宮崎空港経由で帰宅できたのです。全国算数授業研究会の同志の絆がなければ,いつまでも右往左往していたと思います。本当に助かりました。また,絆の温かさと人の縁のすばらしさを実感しました。

やっぱり最後は「人と人」ですね。これは一流の経営者が口をそろえておっしゃることです。同志の絆に感謝です!


2025年8月10日日曜日

授業テラス・脱教師主導講座終了!

 昨日は授業テラスが主催する「脱・教師主導」をテーマにした算数講座でした。

3人の先生から,授業ビデオを提案していただき,それに対して参加された先生がブレイクアウトルームを活用して協議を行いまいした。何気なく進めているスタイルが,すでに「型」という悪魔?に洗脳されていることを自覚する上ではとてもよい提案でした。

私は,かなり過激な?型式打破の授業の創り方について提案しました。無印良品の松井社長の会社作りの思想と,今回のテーマはかなり重なる部分があります。子どもの素直な思いに寄り添えば,型式なんてうまく当てはまらないはずなんですけどねえ・・・。

2025年8月9日土曜日

霧島市民の皆様,ありがとうございました

 昨日,鹿児島県・鹿児島市算数研修全体を終えて,帰路に着こうとしました。ところが,前夜からの豪雨で霧島市には大雨特別警報が発令されました。そのため,向かう予定の鹿児島空港への道は土砂崩れで封鎖されていました。鹿児島中央駅方面も同様でした。

道路が崩れて封鎖されていることを教えてくださったのは,道路のあちらこちらに立たれていた市民の方でした。1台1台の車に「岩が崩れていて,この先は進めません」「空港への道はどこも通れません」と,あらゆる場所で教えてくださいました。ボランティアで立たれていた市民の皆様のおかげで,無事,唯一通行できた宮崎方面へと抜け宮崎空港から帰路に着きました。本当に心優しい霧島市民の皆様に感謝です。ありがとうございました。そして,被害の1日も早い復興をお祈りしています。

2025年8月7日木曜日

鹿児島県大会終わりました!

 鹿児島県算数研修会が終わりました。私の師匠・田中博史先生とコラボで講座を進めました。先生方の日ごろの困り感をウェブアンケートで集約し,その結果をもとに解説を進める講座も行いました。こんな場面でウェブを使うのは有効ですね。

様々なことで先生方が頭を悩ませていることが分かりました。1つずつ,できる範囲で取り組んでいきましょう!

明日の午後は兵庫県小野市を訪問します!



2025年8月6日水曜日

小松の先生は熱い❗️

石川県小松市の研修が終わりました。前半は秋に開催される研究会の指導案検討会でした。深く教材研究と授業シュミレーションをされた先生方の学びの深さと貪欲さにびっくりでした。このモチベーションの高さがあれば、本番の研究会も大丈夫ですね😃

2025年8月5日火曜日

8月7日は鹿児島県算数夏季研修会

 明後日8月7日(木)は鹿児島県・る第一工科大学を会場に,鹿児島県・鹿児島市算数部合同夏期研修会に参加します。

私と田中博史先生の講演や対談を行います。全国算数授業研究大会では「鹿児島大会にも行きます」とお声がけいただいた先生が何人もいらっしゃいます。熱い先生方が数多くいる日本の教育は安心ですね!

詳細は以下のちらしをご覧ください。

鹿児島県外からの参加の可能です。ご興味のある方は,以下からお申し込みください。

https://docs.google.com/forms/d/1DG_kvki5YRL6BcARfFyaA6bDrmNYJgqBG9_llrpi2Zs/viewform?edit_requested=true



明日は石川県小松市を訪問

 夏の全国算数授業研究大会が終わりました。600名を超える先生方にお集まりいただきました。数々の公開授業が開催されました。「愉しい」をテーマにした公開授業でしたが,先生方の捉えはいかがでしたか?

明日は石川県小松市の小学校を訪問します。今年度2回目の訪問です。算数最難関単元の5年生「割合」をテーマに研修を進めます。昨日40℃を超えた小松市の先生方の学びをもっとホットに高めていきますね!


2025年8月3日日曜日

兵庫県但馬算数セミナーがお盆明けに開催!

 8月21日(木)に兵庫県豊岡市で但馬算数セミナーが開催されます。テーマは,

「愉しさが溢れる算数授業づくり」

「愉しさ」か「楽しさ」か。読み方は同じですが,意味は全く異なります。この部分に焦点化して話を進めていきます。

地元の先生による模擬授業も開催されます。豊岡市はコウノトリの繁殖で有名な場所ですね。また,近くには城崎温泉もありますね。観光のついで?に,セミナーに参加されてはいかがですか。

お申し込みは以下のアドレスからお願いします。

https://www.kokuchpro.com/event/a3b5a0a21cd35100bc3d8c47dfecbee2/



明日から全国算数授業研究大会

 明日8月4~5日は筑波大学附属小学校で全国算数授業研究大会が開催されます。公開授業やワークショップなど盛りだくさんな内容です。

事前申し込み制です。以下のサイトからお申し込みください。東京も暑いです。暑さ対策をされてお越しください!

https://www.kokuchpro.com/event/b1dca1a9e364ad8dc46c1cdee4e5c339/

2025年8月1日金曜日

出雲の先生方は熱心です!

 今日は,出雲市内の数校の小学校の合同研修会でした。私のクラスの6年「分数÷分数」の授業ビデオをもとに演習を進めました。

先生方の学びに対する熱い思いがひしひしと伝わる2時間でした。先生方の学びに向かう姿が熱い地域は,間違いなくやがてそれが子どもたちにも派生していきます! 次回は12月に訪問予定です。

会場に向かう道中で,出雲市内の幼稚園・小学校が木造建築や木造が多く取り入れられて建築されていることが分かりました。これはかつて出雲市長を歴任された岩國哲人氏の業績ですね。岩國氏は,私が尊敬するリーダーの一人です。


初任者研修で遊びました!

 昨日は大阪府内の初任者研修に参加の先生方の講座に参加しました。冒頭は,紙飛行機をチームで飛ばして遊び?ました。15分の予定が想像以上に盛り上がり,30分も熱中して先生方が取り組んでくれました。この熱中の秘密が算数授業にも必要になるのです。こんな遊びから初任研の講座をスタートしました。

単なる座学では初任者の先生方も退屈でしょうから,こんなアプローチで講座を企画してみました。

今日はこれから島根県出雲市内の学校で講演です。今週からのNHK朝ドラ舞台になる島根です。まだ今はそれほど混んではいないかな・・・? 先日,訪問した高知は朝ドラ「あんぱん」効果ですごい混雑でした!

2025年7月31日木曜日

四日市の先生方と算数講座

昨日は、三重県四日市の算数講座に参加しました。100名の先生方が参加されて下さいました。
演習やビデオ上映などを混ぜながら、2時間30分のロング講座を終えました❗️
帰りは名古屋経由で帰宅しました。名古屋駅で、NHKドキュメント72時間で特集されていたきしめん屋さんに立ち寄りました❗️美味しくいただきました‼️

2025年7月28日月曜日

淡路島の1年生と授業をしました!

 淡路島の1年生と授業をしました。「ひきざん」の計算カードを使った授業です。

計算カードの並べ方の不自然さに途中で子どもたちが気づいてすべて並べ直したり,計算カードの並びからきまりを見つけたりと,子どもたちがぐんぐん動き出した愉しい1時間となりました。最後は超すばらCマークで子どもたちもニッコリのフィナーレとなりました。

子どもの反応は,日本中かわいくて素直ですねえ!



淡路島の子どもたちとの愉しい授業!

 昨日は淡路島の子どもたちと公開授業を行いました。3~6年生のバラバラの小学校から集まった子どもたちです。

最初はぎこちない雰囲気でしたが,しばらくすると一気に問題場面に引き込まれていきました。最後は,教材の秘密に気付く声も生まれてきました。素直で素敵な子どもたちでした。その後は,参会の先生方の2時間の講座を堪能してもらいました。

熱く深い学びの淡路島での1日でした!




2025年7月27日日曜日

今日と明日は淡路島授業公開デー!

 今日はこれから淡路島を訪問します。恒例の夏の行事になりつつありますねえ。

今日は淡路楽しmath主催の算数講座で公開授業を行います。3年生~6年生の4学年が揃った子どもたちに授業を行います。新潟で教員をしていた時代に複式学級を担任していましたので,2学年授業は経験していますが,4学年はびっくりです。しかし,彼らが興味を持つ教材をぶつけていきます。さて,どんな反応が生まれるのか楽しみです。参加する子どもたちは,参会の先生方のお子さんです。公開授業でありながら参観日にもなっている⁉

明日は洲本市の公立校で授業を行います。夏休みの登校日を兼ねた授業です。対象は1年生です。計算領域の授業を行います。夏休みがスタートして,計算を忘れているということはないよねえ・・・。


2025年7月26日土曜日

三重県・京都府の学校を訪問

 多くの学校は,夏休みに入りましたね。今週,私は三重県と京都府の小学校を訪問しました。いずれの学校の先生方も,熱心に研修に参加されていました。外気の暑さに負けない熱い研修姿勢でした。

今日の夜は授業テラスの公開授業です。今回は6年「点対称」を公開します。

明日から2日間は淡路島で2日連続の授業公開です。

その後も,大阪府3カ所,三重県四日市,島根県出雲市を来週は訪問します。8月以降も,ずーっと研修での旅が続きます!


2025年7月22日火曜日

7月26日は授業ビデオ公開講座

 


【日時】 2025 年7月26日(土)19:30〜21:00

 【プログラム】

 19:20 受付 

 19:30 オープニング

 19:35 授業視聴と授業解説 • 尾﨑先生の授業ビデオを視聴 • 視聴しながら尾﨑先生による授業解説 • 質疑応答 

 20:55 クロージング 

 21:00 閉会

解散 授業テラス 申し込み先 本セミナーは対話を重視するため、お顔出しできない方はご参加いただきません。 お顔出しできる方のみ、ご参加いただけます。 

 【定員】 100 名(先着順) ※他サイトとの合計人数が定員に達したら募集を締め切ります

https://peatix.com/event/4489534/view



2025年7月20日日曜日

淡路島で公開授業開催!

 多くの学校は夏休みに入りましたね。さて,来週7月27日(日)に淡路島で公開授業を開催します。観光を兼ねてご参加いかがですか?

日時:7月27日(日)13時30分~16時30分

会場:兵庫県洲本市洲本市民交流センター

お申し込みは,以下のアドレスからどうぞ!

daisukeuematu78@yahoo.co.jp



2025年7月16日水曜日

分数のわり算第4の解法

自主学習にT子が分数÷分数の新たな解法をまとめてきました。その解法を投げかけます
「A÷B=A/Bをヒントに新しい計算方法を考えました。例えば,1/2÷1/4ならこのあとどうしたと思いますか?」

子どもたちは,A÷Bから「1/2/1/4だ」と考えます。しかし,これは「分分数」です。従って,このままでは答えとは言えません。

そこで,「この後どうしたらいいかな?」と続きを考えさせます。
「倍分したらいいよ」
「分子を2倍ずつすると,2/4/1/2になる」
「分子だけ見たらいいよ」
「だって,分母は両方4で同じだから」
「だから2/1で2になる」

分数÷分数の学習の1時間目に子どもたちが活用した倍分を使う考え方が,ここでも発揮されてきました。倍分を使えば,答えが出せます。
しかし,T子の考えは少し違いました。そこで,「T子は実は違う考えだったんだけど,予想できますか?」と尋ねます。

「小数にするの?」
「0.5/0.25になる」
「100倍して50/25だから2になる」

小数に置き換えるのがT子の考えでした。しかし,この方法に声があがります。

「でも,うまくいかないときがある」
「例えば,1/2÷1/3だと,分母が0.333・・・でわりきれない」
「やはり,倍分がいいね」

その後は,今回見えてきた第4の方法と子どもたちが分かりやすいと考えた逆数方式の2つの立場に分かれて,計算対決を行いました。結果は,逆数が計算時間もわかりやすさ満足度も圧倒的に高くなりました。

しかし,既習のA÷Bから新たな計算方法を考えられるアイディアは素晴らしいですね。また,今回から新たな考え方モンスター「タトエイ」(例示の考え方)が登場しました!


 

2025年7月11日金曜日

1〜10を作る

次の問題を提示します。
「1/2,1/3,1/6の3つの分数と,+−×÷( )を使って,答えが1になる式を作ろう」
分数は1回ずつしか使えません。演算記号は自由です。

このルールで1を作ります。計算に取り組んだ結果,6通りできました。

次に,答えが2〜10は作れるのかに挑戦します。結果は,6,7,8,10以外はできました。すると,「ルールを変えたらできる」と声があがります。
すると,さらに声があがります。
「答えが2と3を合わせると5ができる。同じように5と5を合わせると10ができる」

分配・結合法則を使うことで,できなかった答えの式を見つけることができるアイディアが生まれてきました。このアイディアで,残りの答えも全て見つけることができました。


 

2025年7月10日木曜日

 文章問題を提示し,どんな式になるか考えさせました。

5問目に次の問題を提示しました。

「7.1/2mのロープを1.1/4mずつ切ると,何本できますか」

問題文を見た子どもから,「4ますは無理かも」と声があがります。その原因を指摘する声もあがってきます。

「数字が2つしかないよ」

「1がないから,4ますできない」

「1を作ればいいんだ」

「どっちが1?」

「1.1/4mずつ切るんだから,これが基だから1だよ」

これで3つ目の数字が見えてきました。これなら4ます関係表ができます。関係を示す矢印は縦方向に入ります。それまでの横方向とは異なります。

この縦方向の矢印を見た子どもから声があがります。

「包含除は縦なんじゃない?」

鋭い指摘です。わり算には包含除と等分除があることは以前の学習で学びました。その学習と4ますの矢印に関係性を見出したのです。

1週間ほど前の学習でも包含除を学習しました。その場面を4ますに整理すると,この問題も縦方向に矢印が入りました。すごい発見です。

すると今度は,「だったら等分除は横方向だね」と,新たな視点の指摘も生まれきました。びっくりするほど追求力の高い子どもたちです。